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きょうだい差別にご用心

次男を出産する数日前、近所の先輩ママからアドバイスを受けた。

「きょうだいができると上の子は不安だからね、〇〇くん(長男の名前)に"あなたが1番好き!"って言うといいよ」

はぁ、なるほど・・・とうなずきながら、ひとつの疑問が湧き上がる。


それって、下の子がつらくないかい?


第一子を優先した結果

高校生ぐらいのときだったか。母から「私が1歳児検診に引っかかったエピソード」を聞かされた。

「下の子が生まれると上の子は不安になるから、〇〇くん(兄の名前)を優先するのよ!」

先輩ママから「ありがたき指導」を受けた母は、言われるがまま兄を優先したそうだ。私がよく寝る子だったこともあり、2階の暗くて静か〜な部屋でひたすら寝かせ、1階で兄と遊んでいたとのこと。


赤ちゃんは周囲の声を聞いたり、様子を見たりしながら、ひとつひとつの言動を覚えていく。

1年近くほぼひとりにされ続けた私は、検診で医師からハンカチをかぶせられても無反応。表情も乏しく、ほとんど笑わない。

「脳か、手足に障がいがあるかもしれません。大きな病院での検査をお勧めします」


そう言われてようやく事態の深刻さに気付いた母。大病院や専門機関を回り、「ひとりで寝かせていたこと」に原因があったと分かった、と話してくれた。

にもかかわらず・・・

物心がついてからも、兄への溺愛は続く。

同じように兄弟のいる女友達からは、ほぼ100%「母は兄や弟のほうをかわいがっていた」と聞く。私は女の子を産んだ経験ゼロなので何とも言えないが、「母親が男の子を溺愛する」のは生物的なものなのかもしれない。

母の中では「兄は言うことを聞く良い子」で、私は「ひねくれた見方をする厄介な子」だったのだろう。

母と兄が話していて、私が部屋に入った途端に「〇〇(私)に聞かれたら困るから、ここで終わりね」と切り上げられたことがしょっちゅうあった。明らかな内緒話、仲間はずれ。

「なんで、私に聞かれたら困るん?お母さんは、私よりもお兄ちゃんのほうがかわいいんやろ」

小学校6年生の涙ながらの訴えも、「なんでそんな風に考えるかな。そう思うあんたがおかしい」と全否定。

驚くことに母は、夏に帰省した際にも家族みんなの前で「涙の訴えエピソード」を持ち出して私を非難した。30年ほど経っていますが・・・と呆れながら

「いつまで言っているん?子どものころの話やろ」

と、突っぱねた。

「なに?」とお怒りスイッチが入りそうになった母だったが、義姉が「そらそうやわ」と同意してくれ、ボヤで済んだ(笑)。

つくづく思うこと

夏と冬に帰省するたびに、「母の中では、いつまでも10代のころの私のままなんや」と気付かされる。

きっと、変わっていないのは母のほう。



私は、仕送りなしかつ極貧でも、わずらわしき家を出てひとり暮らしをする選択をした。家を恋しがる友人とは対照的に、ホームシックゼロで新生活を満喫していた。笑


20年以上経ち、あの選択は大正解だったなと思う。

母の近くにいたら・・・と考えるだけでもゾッとする。

だから、もし今、親のことで悩んでいる人がいたら、家を出ることを勧めたい。

離れることで、きっと見えてくる。


新しい自分が。


ちなみに、私は長男から「僕と〇〇くん、どっちが好き?」と聞かれると「2人とも、同じぐらいに大切で大好き。比べられない」と答えている。

"正解"でなくても、自分でどうするのがベターかを考える。

まことしやかに流れる「育児論」にはご注意を。

サクラのひとりごと






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