店長の宝物
※途中からヤケになっています。ご了承ください。
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数年前に、大阪のとあるスーパーに行ったときの写真である。閉店間際に立ち寄ったため、買い物を終えたころには店じまいが進んでいたようだった。この光景を見て、てっきり閉じ込められたものと思い込んだ僕は、面白がって写真を撮った。だが、入り口が2つあるパターンのスーパーだったため、大したネタになることもなく、データフォルダの奥底にしまいこまれていたのだ。
たまたま過去の写真を漁っていたところ、4年の時を経て再び光をあびることとなった。
この写真をまじまじと見ていると、少し奇妙な気がしてくる。
一体、どうして、こんなにも厳重に入り口がガードされているのだろうか。
こんなにも並べ尽くす必要があるのか。通行止めのあの棒、2種類のカートに、キャスターのついワゴン、看板がこれでもかというくらい配置されている。
まさに鉄壁のガードである。
そこから考えたことを少し語ろう。
①店長のタイプ
②宝物の可能性
①店長のタイプについて
この防壁を作っているのが店長だとして考えてみる。
そうすると、店長は素直で、バカ正直なタイプなのではないか。ところせましと並べられたカートたちの奥には、店長が守りたくて仕方ないものが置いてあるのだ。だが、幾多の罠やトラップが、時に宝の場所を明示してしまうこともある。今回は完全にそのパターン。こういう状況をあらわす慣用句か何かがあった気もするが、思い浮かばない。厳重すぎる備えが、危機を招いてしまうこともある。守りたいという素直な意志が、かえって裏目に出てしまっている。見方によっては可愛く見えないこともない。控えめに言ってお茶目だ。
そして、もしもこの素直でお茶目な店長と一緒に学校でかくれんぼをしたならば、まず間違いなく、彼(彼女)は灯台下暗し的な隠れ方はしない。奴は正統派かくれんぼニスト。ロッカーの中や、体育館の倉庫の中、鬼から姿が見えないところに隠れるはずだ。だがこのタイプは、往々にして頭隠して尻隠さずタイプにもなる。やっぱりバカ正直(お茶目)なのである。
②宝物の可能性
①より、あの防壁の奥には店長が守りたくて仕方ないものがあると推察される。では、その「宝物」とは一体何を指すだろうか。
考えるまでもなく、野菜・果物・その他、スーパーにおいてある食品すべてが、この店の資産である。これを奪われたらたまったものじゃない。
だが、それだけではない気にもさせてくるのがこの店長。奴は素直だ。実直だ。そしてお茶目で、バカ正直で、きっと自分の感情に正直なタイプだ。
あの厳重なガードから、ここには何者も、絶対に絶対に立ち入れさせない。強い意志を行動で示す人間だ。
そんな店長にとって、店に並べられた食べ物たちは、きっとお金以上に大切な我が子のような存在で、お店は何人たりとも汚すことのできない聖域なのだ。
スーパーKOHYO。ずっと店長とともに、健やかであってほしい。
#30日間チャレンジ 12日目