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キーボードを叩きたい欲を取り戻したい

僕がブログを始めたきっかけは、ブロガーというものにもともと憧れがあったからだ。パソコンをカタカタして、文章を紡ぎ出して、それをたくさんの人に読んでもらえる。それでお金を稼げる人なんて羨ましくて仕方ない。副業ブロガーの流行りに感化され、WordPressでブログを開設したのが僕のブログ人生始まりだった。

僕は技術職の製造業に就職した為、現場作業や装置を扱う作業が多く、ずっとパソコンに向かうような仕事内容ではなかった。そういった理由もあり「パソコン一台あれば仕事が完結する」というような、キーボードを一日中カタカタさせている方が仕事をしている感覚があり、なんとなくの憧れを持っていた。

ブログを始めたころはキーボードに文字を打ち込むだけでただただ楽しかった。自分の中のキーボード欲が、パソコンをカタカタさせたい欲がそれだけで満たされていた。


その後もWordPressからはてなブログ、そしてここnoteに場所を変え迷走しながらもブログを楽しみながら続けていたが、仕事の役職が変わって事務仕事がメインとなり、毎日キーボードを叩く生活へと変わっていった。

それから僕は、以前ほどただキーボードを叩く事の喜びが薄れてしまっている。

もちろんブログを書くのに飽きた訳ではない。キーボードを叩くのが嫌になった訳でもない。仕事でキーボードを叩く時間が増えたからこそ、ブログで自分の好きな事を書くのにキーボードを叩くのが楽しいとも思える。

しかしトータルで見ると、やはりキーボードを叩く喜びは減ってしまっているのかもしれない。仕事ではなく自分の好きなことだけで欲が満たされていたころの方が幸せだった気がして、少し残念。でもそれが仕事だから仕方ない。仕事のせいで好きなことで感じられる幸せが減った気がして虚しくなってしまう。


そんな時、東京に住む友達のところへ遊びに行く機会があり、その友達の勧めで秋葉原にある自作キーボードのお店「遊舎工房」へ行った。

お店へ行くまで、僕は自作キーボードという世界をよく分かっていないままただガジェットが好きなので誘われて行ってみたくらいだったが、店に入った瞬間に世界が変わった。

さまざまな形のキーボードにテンションが上がったり、なにより一番感動したのはキースイッチによって打感が全く違うこと。それまでキースイッチにこんなに種類があることも知らず、さまざまなキーを試して自分好みのスイッチに出会い「これでキーボードを好きなだけ叩きたい!」という新たな欲が生まれた。

キーボードの形、キースイッチ、キーキャップ。全てが自分の好きなものを作れる自作キーボードの世界は、知ると面白くいつか自分でも作りたくなった。自分のテンションがあがるキーボードが手に入れば、キーボードを叩くのがより楽しくなるかもしれないと思った。


しかし自作キーボードも、僕が組みたい物は一式揃えるとなると3万円以上はかかりそうで、なかなか簡単に手がでない。独身の頃なら即決で買っていたかもしれないが、家族がいる今はそう簡単にはいかない。

理想のキーボードを手に入れるのは、コツコツとお金を貯めて、かつ時間が落ち着いたころに改めて考えるとして。物でモチベーションを高めるのも良いが、やはり人生で大切なのは自分の好きなことをする「時間」の確保だ。

どれだけ良いものがあったとて、それを満足に使える時間がなければなんの意味もない。仕事ばかりに追われて仕事でいくらキーボードを叩いたとて、何も面白くは無い。仕事ばかりにこのキーボード欲がすり減らされて欲しくは無い。働くよりも、もっと満足出来るほどの自由な時間が欲しい。

そうなればやはり目指すはサイドFIREくらいだろうか。いつか好きなことだけで、キーボードを叩くという好きな行動をしていたい。


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