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#リモートワーク の学び Slackの「通知」で明らかになった他者との「ずれ」

リモートワークになり、社内ではSlackでやり取りすることが多くなった。メンションをもらったり、投稿に対しての回答や、ほかの人の返答が通知でくる。

この常にオンの状態で、情報を受け続け、声をかけ続けられているような感覚には疲れも感じる。ただ、発見もあった。

人にはそれぞれ、好きなタイミングやリズムがあり、置かれている状況や対応している課題や業務は違うということである。

当たり前のことかもしれないが、人の反応が明確に通知で来る状況は、オフィスにいるときとはまるで違う。

オフィスでは、何か聞きたいときは同じ時間を共有できた。声をかけて「話す時間」は自分と相手で同じだった。会議で一斉に反応することもできたし、反応を確認することもできた。

オンラインのやりとりはメールだった。メールは自分の時間で確認ができた。相手からの返信も、比較的、時間のずれを前提としたものだった。発信することにかける時間も、発信する情報も多かった。
(もちろん即レスは期待されることだけど、時間的余裕はあったように思う)

リモートワークになり、Slackが中心となると、社内の会話には時間的な「ずれ」がはっきりした。
「これおもしろくない? これがさあ…」
「なるほどねーそういうことか」
「そうそう、これってこういうことに生かせるよね」
などと、数分で終わる些細な会話が、
「これおもしろくない? これがさあ…」と投稿。
2分後に「なるほどねーそういうことか」と連絡が来て、
おっと、返信が来たから返そうと、その1分後に返信。
「そうそう、これってこういうことに生かせるよね」

メールからチャットベースでの確認となり、より話すリズムに近い感覚で、短文で投稿し、早い反応を期待してしまう。一方でメール以上に早い反応をしなければと思ってしまう。

この「ずれ」は、会話でも、仕事の依頼でも、空間と時間を一緒にしている口頭ではなく、「通知」としてやってくるから、そのリズムが明確に認知しやすくなる。
自分が業務に集中したいときにも通知がやってきて、気がそれる。
自分が確認したいタイミングでメンションを飛ばし、相手が確認したいリズムでメンションを飛ばす。

この「通知」がくる「ずれ」はオフィスのときよりも、ものすごく明らかで、ものすごく自分のリズムとは異なる。
「通知」は、たとえ同じ会社で、同じチームで、同じ年齢で、同じ在宅であっても、人それぞれ好きなリズムもあるし、タイミングもあるし、やっている業務も異なることを改めて認識させるものだった。

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中学生のとき、サッカーの試合中に、「パスのタイミングが遅い!」とメンバーに怒られた。
右のサイドでボールを受け取ったぼくは、相手のプレッシャーを感じながら、フォワードにいる味方にパスをしようと顔を上げた。目があい、彼はパスを求めていた。バウンドするボールに一度目を落とし、すぐに蹴りたいと思いながら、浮かないように注意を払ってボールを蹴った。その一瞬の間で状況は一変した。ディフェンスから距離を取り、トラップ後に次の行動をすぐにとれるような体勢でボールを受けようとしていた。だが、ぼくがボールを蹴るのを一瞬遅らせた結果、後ろのディフェンスが近づき、体勢が崩れ、ボールは期待される軌道からずれ、トラップすらままならなかった。

ぼくがパスを出せるタイミングと、相手が受けたいタイミングが違ったのだ。なぜこちらばかり責められるのか。お互いのタイミングと、身体のリズムが合わなかっただけだから、お互いさまだろうと、不本意な気持ちが大きかった。
そして、試合の中で「リズムが合わない」という感覚をはっきりと感じた瞬間でもあった。チームがうまく機能するには、目指すものが同じだけでも、それぞれ技術があるだけでもなく、お互いのリズムがあっていないといけないのだ。だから、日々、一緒に練習し、身体的なリズムを同期させていくことが重要なのだろう。

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それぞれリズムも考え方違うし、それぞれ違う強みを持っているし、関心ごともやりたいことも違う。チームをつくり、機能させていくうえで重要なことを改めて感じることができて、嬉しい。

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