デザイナー思考とアーティスト思考
課題にしろ趣味にしろ、何かしら制作活動をしていると他者の作品や成果物を参考にすることは少なくありません。
今の時代、情報へのアクセスは容易のため、優れた作品に出会う機会も多くなります。そしてその度に制作者への尊敬と羨ましさが襲ってきます。
目を引く作品を作り出す人は、その多くがアーティスト気質であると個人的には感じています。その原因は恐らく、これまで見たことがない、斬新であると言うような他者との比較によって評価することが多いからだと思います。
自分自身を表現する=アイデンティティを表現する=斬新さへと繋がることから、アーティスト思考で制作をした方が目に付きやすく、分かりやすい。そして自分の好きなことをやっているという印象が強いため、華やかで楽しそうに思える。
その一方でデザイナー思考を使うのはどのような時か。それは課題解決をしたい時です。そのため自分ならではであること、斬新であることはアーティスト的作品に比べそれほど必要でないように思われます。他者の作品との差別化はしつつも、唯一無二とまでは行かない、という感じでしょうか。
上にも記した通り私自身、アーティスト的才能を持っている人を羨ましく思うことが多いですし、こんなに勉強しているのにデザイナーの仕事って地味だよなあと落ち込むこともありますが、より大きなことを成し遂げるためにはデザイナー 思考が不可欠であると考えています。
アーティスト思考は独自性があって斬新な分、他者と共有するのが難しく、人との繋がりで成り立っている社会でそれを続けていくのは至難の技であるように思います。
一方でデザイナー思考は、他者と共有してこそ本領が発揮され、より良いものを作り上げることができるように思います。
イメージとしては、アーティストは個人戦、デザイナーは団体戦という感じです。
もちろん団体でアーティスト活動をしている方もいらっしゃいますし、個人で仕事を請け負っているデザイナーさんもいらっしゃるので、必ずしもそうではありませんが、案外このイメージは一般に通ずると思うのです。
先日、先生がアーティスト的作品は趣味として、デザイン的取り組みを仕事として行っていると言っていたので、今日このことを考えていて、理に叶いすぎているなと思いました(笑)
私も二足のわらじを履いて歩きたいところですが、理想に体は追いつかないもので、なかなか難しそうです、、、