バロメーター
今季途中から先発に回っている九里亜蓮。
先発、リリーフのどちらでも起用できるため、非常に重宝される存在です。
ただ先発だとどうもスペック不足なのではないかと個人的には感じております。
1軍定着を果たした2016年から今季までの3年間の先発時、リリーフ時の成績をまとめたのが、上記表となります。
これを見ると明らかですが、リリーフ時の方が先発時と比較して、防御率など全ての数字で良い数字が出ています。
九里はリリーフ時には主にミドルorロングリリーフの役割を担いますが、防御率2.44の投手がミドルorロングリリーフで控えているのは、他球団と比較しても相対的にストロングポイントとなりうるのではないでしょうか。
先発が早々に降板した際にも、九里を送り込むことでゲームの立て直しを図ることができ、打線の反撃を待つことができます。
こうして失点を抑えているうちに、打線が奮起し勝ちを拾うという試合を作り出すことができるのです。
九里のようなミドルorロングで優秀な投手が控えているからこそ、「逆転の広島」が成り立つという側面もあるということを忘れてはなりません。
優勝を目指すうえで、このような試合を作り出せるか否かは、少なからず大事になってくるはずです。
色々言いましたが、伝えたいこととしては結局リリーフ時の方が明らかに成績が良化してるよね、という事です。
それに加え、九里は3巡目以降に相手打線に捕まりやすい傾向もあります。
今季の2巡目までの被打率と3巡目以降の被打率をまとめたものが上記表です。
.255⇒.363と1割以上被打率が上がっており、3巡目以降は中々派手に打たれています。
おそらく、どの投手も打順が何回りもしていけば、多少なりとも被打率は上がっていく傾向にあると思いますが、それにしても1割以上上昇してしまうのはさすがに上がりすぎではないでしょうか。
以上のデータから見ると、やはり九里のベストポジションは、ミドルorロングリリーフと言えましょう。
そして、ここまでの分析結果を基に、本稿の表題とした「バロメーター」とは何ぞや?というところについて以下では記していこうと思います。
いきなり結論から入りますが、ここでの「バロメーター」とは、九里がミドルorロングリリーフで収まっているのが、チームの投手配置としては適正な配置がなされている状態であり、九里がどのポジションで投げているかでチームの台所事情が分かる、という意味での「バロメーター」です。
九里が先発ローテに入っている時はあまり望ましい状態とは言えず、リリーフに入っている時は望ましい状態であるということです。
これを基にすると、今季、九里は4月途中から先発に回りましたが、その時期から投手配置においては、適正な配置がなされていると言える状態ではなかったと言えましょう。
ここでは決してあの時点で九里を先発に回したのは間違いであったと言いたいわけではなく(そもそも間違いだとも思っていないが)、ただ最も力を発揮できる投手配置ではないよね、と言いたいだけです。
現状、アドゥワが九里が担うべきポジションを担っていますが、高卒2年目の投手にこのポジションを任せるのはあまり得策とは思えません。(結果こそ残していますが)
特に先発適正のありそうなアドゥワですからなおさらです。
と考えても、やはり適正なポジションに配置ができているとは言い難いでしょう。
最適なポジションに配置してあげることが、その投手のためにもなるし(力を発揮することができ自身の成績向上⇒年俸の上昇へと繋がる等)、個人成績の向上へと繋がるのなら自ずとチームの勝利へと近づけることになるのではないでしょうか。
故障や不調など、適正なポジションへ配置できていないことへは諸々の事情がありますし、あくまで理想論にすぎませんがね笑
ちょっと「バロメーター」の話からは逸れてしまいましたが、結局は九里の投げているポジションは、チームの投手陣(≒先発陣)の適正配置を見る上で分かりやすい指標になりうるということです。
おそらく今季は、このまま先発で回っていく可能性が高いですが、来季以降適正な配置へと持っていくためにも、他の先発候補の投手達の奮起が求められます。