あの新井さんもついに…

今季でプロ生活20年目を迎える新井さん。

広島復帰後は、2016年にMVPを獲得し、昨年は出場機会こそ減りましたが、その打撃のクオリティーを落とすことなく、OPSは前年とほぼ変わらず.850、BB%は自己最高の13.9%を記録するなど、40歳を超えた選手とは思えない活躍を見せてきました。

しかし今季は、故障により出遅れると、復帰後も成績は低迷し、打率は.214でOPSは.629と自己最低レベルの成績となっています。

なぜOPS等の成績が自己最低レベルまで落ち込んでしまっているのでしょうか。

私見を述べると、その圧倒的なフィジカルの衰えにより、打撃フォームの欠陥を覆い隠すことが出来なくなったのかな、と言ったところです。

Twitter上の有識者の方々も仰られてましたが、新井さんの打撃フォームは圧倒的なフィジカルと卓越した打撃センスによって成り立っています。

これは今年の5/11の阪神戦の映像から取ってきたものです。

バットのヘッドは投手側に倒れ、背番号がはっきりと見えるほど体を捻っていますが、このような打撃フォームの特徴を持つ強打者は歴史的にもあまりいないのではないでしょうか。

失敗する選手の打撃フォームの典型的な形にしか見えません。

バットのヘッドを投手側に倒すことなく、捻りも抑えられている打撃フォームで結果を残している打者の方が圧倒的に多いでしょう。

そのようなフォームで、20年間プロの第一線で活躍し、打撃タイトルまで獲得するわけですから、それは卓越した打撃センスを持つ天才としか言いようがないでしょう。

そりゃ堂林がこの打撃フォームを真似したところで上手くいくはずがありません。

よく西川龍馬が天才と称されますが、他の打者が真似できないフォームで20年プロで活躍する新井さんの方が天才だと思います。(西川のフォームはむしろ真似するべきものですしね)

そんな新井さんも打撃フォームの欠陥をその強靭なフィジカルで覆い隠すことができなくなってきました。

その証左として、ストレートに対応できなくなってきたことが挙げられます。

今季を含め3年分のFA%(ストレートを投じられた割合)、FAv(投じられたストレートの平均球速)、wFA(ストレートに対する得点貢献)をまとめたものが上記表です。

40歳を超えてきたこともあり、年々ストレートを投げ込まれる割合もそのスピード自体も上昇していますが、昨年は休み休みの起用の甲斐もあってか、きっちり対応できており、ストレートへの強さは新井さんの大きな強みでした。

しかし今季は、更なるスピードの上昇やそもそも打席に立つ機会が減少しているせいか、wFAの数字を大きく落としており、強みとなりうるどころか、弱点となってしまっています。

この変化は、加齢によりとうとう新井さんもストレートに対応できなくなってきた、と考えるのが自然でしょう。

あれだけヘッドが投手側に入るとストレートに対応するのは難しくなるのでしょうね。

このように引退が近づいてきた選手に見られる特徴が新井さんにも出始めてしまったわけです。

となると、残念ですがとうとう新井さんの引退というのも現実味を帯びてきたのではないでしょうか。

最後は、リーグ制覇からの日本一で花道を飾ってほしいものですがね…

#野球 #プロ野球 #広島 #カープ #新井貴浩 #新井さん

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