1か月予報(10/9~11/8)
10月7日発表の1か月予報です。
高温傾向ですが、一時的に寒気が流れ込みそうです。
1.一般向け
高温傾向も寒暖差大
向こう1か月の気温は全国的に平年より高い予想です。
偏西風が平年よりも北寄りを流れ、寒気が流れ込みにくいためです。
しかし、細かく見ると寒暖差が非常に大きくなります。
15日までは高温傾向で、かなり高くなる予想です。
季節外れの暑さに注意が必要です。
その後22日にかけては寒気が流れ込むため一転して
北日本では平年並みか低い予想です。
寒気の流れ込み次第では西~東日本も低温傾向となる可能性があり
一気に季節が進みそうです。
その後11月5日にかけては全国的に平年並みか高い予想で
再び高温傾向に転じます。
全体でみると季節の進みはゆっくりではありますが
衣替えの準備は来週中には済ませておいた方がいいでしょう。
日照少なめか
日照時間は北日本日本海側と西日本太平洋側、沖縄・奄美で
平年並みか少ない予想です。
寒気が流れ込むタイミングで北日本日本海側では雲が広がりやすく
気圧の谷の影響を受ける西日本と南西諸島でも
平年よりも晴れる日が少なくなる予想です。
このため降水量も北日本日本海側と沖縄・奄美で
平年並みか多い予想です。
沖縄・奄美は熱帯擾乱の影響を受ける可能性もあるため
雨の降り方には注意が必要です。
2.専門版
熱帯
熱帯の200hPa速度ポテンシャルは
インド洋~太平洋西部と南米付近で負偏差で対流活発。
200hPa速度ポテンシャル(熱帯)
インド洋~太平洋西部はSSTの高温偏差が寄与しているものとみられる。
SST(10/4-5)
この対流活発域は徐々に西進する予想。
上層
熱帯の対流活動に対応して大陸付近は広く高気圧性循環偏差
日本の東は相対的に低気圧性循環偏差で
その東に高気圧性循環偏差がまた現れる波列パターン。
200hPa流線関数(1か月)
基本的には偏西風は北偏傾向。
ただ、対流活発域の西進に伴い
大陸の高気圧性循環偏差の中心が西に進むため
2週目は日本付近が低気圧性循環偏差となり
偏西風が南偏する。
3・4週目は偏差が弱まるためか、その傾向は弱い。
200hPa流線関数(1週目、2週目、3・4週目)
中層
500hPa高度は日本付近は弱い正偏差で
その東で顕著な正偏差域が見られる。
西南西流場となるため暖気が入りやすい。
500hPa高度(1か月)
週ごとに見ると
1週目は日本付近も正偏差が強くゾーナル。
2週目は日本付近は負偏差でトラフが深く寒気が入る。
3・4週目は1か月平均に近く西南西流場。
500hPa高度(1週目、2週目、3・4週目)
下層
熱帯の対流活動に対応し、850hPaは
インド洋~南シナ海で低気圧性循環偏差。
北東への波列により日本付近は高気圧性循環偏差。
850hPa流線関数(1か月)
1週目にその傾向が顕著に出ている。
850hPa流線関数(1週目)
この高気圧と偏西風北偏の影響で
850hPa気温は日本付近で正偏差。
850hPa気温(1週目)
2週目は上空トラフの影響で日本付近は低気圧性循環偏差。
850hPa流線関数(2週目)
このため寒気が流れ込みやすく西~北日本で低温傾向。
850hPa気温(2週目)
3・4週目は南シナ海の低気圧性循環偏差が弱まるため
1週目ほど強くはないが、日本の東から日本付近は高気圧性循環偏差。
気温の偏差は小さいが
下層の南寄りの風や500hPaの偏西風の流れ方から高温寄りで考える。
海面気圧は大陸と日本の東に正偏差の中心があり
日本付近も弱い正偏差域。
沖縄・奄美付近は熱帯擾乱の影響があり負偏差域で
湿りが入りやすい。
海面気圧(1か月)
2週目は上空トラフの影響で日本付近で負偏差となり
両サイドの正偏差は変わらず全国的に湿りが入りやすい。
海面気圧(2週目)
3・4週目は東の高気圧が弱まり
負偏差傾向は日本海側のみに残る。
一時的な冬型により、日本海側では寒気の影響で
曇りがちになると予想される。
海面気圧(3・4週目)
まとめ
・インド洋~南シナ海で対流活発。
・大陸付近で偏西風が北偏し、日本付近は弱い低気圧性循環偏差。
・2週目に偏西風の南偏が顕著で、全国的に寒気が流れ込む。
・日本海側は寒気の影響受けやすく、日照時間が少ない傾向。
・南西諸島は熱帯擾乱からの湿りが入りやすい。