3か月予報(11~1月)
10月25日発表の3か月予報です。
西日本中心に冬型が強く、気温が低い日が多くなりそうです。
1.一般向け
西から寒気流れ込む
向こう3か月の気温は西日本と沖縄・奄美で平年並みか低く
その他はほぼ平年並みの予想です。
西日本を中心に冬型が強く、寒気が流れ込みやすいため
西ほど気温が低い傾向となっています。
日本海側は雨雪多い
向こう3か月の降水量は北日本と西日本日本海側で
平年並みか多く
西日本太平洋側と沖縄・奄美は平年並みか少ない予想です。
西日本は冬型で寒気の影響を受けやすいため
平年よりも曇りや雨または雪が多くなるため
早めに雪への備えを行っておきましょう。
北日本は低気圧の影響でその影響を受けやすい見込みです。
また、西日本太平洋側は空っ風の影響を受けやすいため
沖縄・奄美はシベリア高気圧の勢力が強いために
平年と比べて雨が少なくなるという予想となっています。
2.専門向け
SST
熱帯域のSSTは太平洋中部~東部で低く
インド洋や太平洋西部は高い予想。
海面水温(11〜1月)
この冬はラニーニャになる可能性が高いとされており
このSST分布はそれを示しているものと思われる。
熱帯
熱帯のSST分布に対応して、
200hPa速度ポテンシャルは熱帯域インド洋~太平洋西部で
負偏差と対流活発、太平洋中部~東部は正偏差で不活発の予測。
200hPa速度ポテンシャル(3ヶ月)
月ごとに見ると
11~12月は南シナ海~フィリピン付近
1月はインド洋に対流活発域の中心がみられる。
200hPa速度ポテンシャル(11月、12月、1月)
上層
200hPa流線関数は大陸と北太平洋中部に高気圧性循環偏差
日本付近はそこに挟まれた低気圧性循環偏差で
偏西風は南偏傾向。
200hPa流線関数(3ヶ月)
インド洋の対流活発が大陸での偏西風の北への蛇行に寄与し
ジェットの波列が西に伝わっているものとみられる。
また、北太平洋中部の高気圧性循環偏差は
西部太平洋熱帯域の対流活発による偏東風の強化により
上層で低気圧性循環が生まれ、その波列が北に伝わっているものも影響しており
より顕著な循環になっているものと考えられる。
月ごとにみると
11~12月は日本付近に低気圧性循環偏差
1月はそれが西に寄り西日本付近にみられる。
200hPa流線関数(11月、12月、1月)
対流活発域の西への偏りが影響しているものとみられる。
中層
上層のジェットにも対応し
500hPaではシベリア付近は正偏差でリッジがみられ
日本付近はトラフで負偏差
太平洋中部に顕著な正偏差域という波列がみられる。
500hPa高度(3ヶ月)
このため日本付近には寒気が流れ込みやすい。
日本付近の負偏差は
11月は朝鮮半島付近、12月は広く日本を覆い
1月は西日本に偏っている。
500hPa高度(11月、12月、1月)
12月中心に日本付近に寒気が流れ込みやすい場であると考えられる。
また、1月はバイカル湖付近に負偏差があり
北日本は正偏差域となる。
寒帯ジェットの蛇行は亜熱帯ジェットとずれて逆位相気味で
1月は北日本への寒気の流入は抑えられると思われる。
下層
中層のリッジ・トラフに対応して、海面気圧は
シベリア~華南で正偏差でシベリア高気圧は南東側に張り出しが強い。
一方、アリューシャン低気圧は東側で弱く南西側で強い傾向。
また、日本海~北日本には負偏差が強い領域がみられる。
海面気圧(3ヶ月)
850hPa流線関数でも日本海付近に低気圧性循環偏差がみられ
これに対応する負偏差域とおもわれるが
寒気場内のポーラーローを示しているのか
温帯低気圧を示しているものなのかが不明。
850hPa流線関数(3ヶ月)
ただこの低気圧や全体の気圧配置から
西日本で冬型がより強く寒気が流れ込みやすく
北日本は南から暖気が流れ込み
寒気流入が抑えられる傾向があると推測される。
1月は北太平洋で高気圧性循環偏差が特に強く
日本付近の低気圧性循環偏差はなくなる。
海面気圧も大陸は負偏差に転じる予想。
850hPa流線関数(1月)
海面気圧(1月)
1月は次第に強い冬型傾向は弱まり、寒気の流入が抑えれるため
低温偏差のピークは12月になりそう。
850hPa気温は3か月平均で西日本で負偏差で
850hPa気温(3か月)
11月と1月はこの傾向で、12月のみ西日本~東北に低温偏差が及んでいる。
また、1月は北日本ははるか東の高気圧循環偏差により
北からの寒気の流入が特に抑えられ
一部高温偏差域もかかっている。
850hPa気温(11月、12月、1月)
2月の気温にもよるが、晩秋以降は季節の進みが早くなるだけで
一冬をとおして寒冬というレベルにはならないように思われる。
まとめ
・インド洋や西部太平洋熱帯域が対流活発
・ジェットは日本付近で南偏傾向
・12月に500hPa高度の低下が顕著で寒気流入ピーク
・冬型は12月に強く、下層寒気も流入
・1月ははるか東の高気圧が強く、寒気の流入が弱まり
低温傾向は西日本に限定される。