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1ヶ月予報(8/14~9/13)

8月12日発表の1ヶ月予報です。

全国的に多雨傾向で、しばらく大雨に警戒が必要です。

また、雨が落ち着いたら暑さが復活するでしょう。

1.一般向け

大雨警戒

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向こう1ヶ月の日照時間は西〜北日本で平年並みか少なく

沖縄・奄美で多い予想です。

これは秋雨前線が本州付近に停滞するためです。

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この前線の影響で

向こう1ヶ月の降水量は西〜北日本で平年並みか多く

沖縄・奄美で平年並みか少ない予想です。

特に前線の活動が活発になる来週にかけての雨量が多くなります

前線に近い日本海側では記録的な大雨となる恐れがあり、

太平洋側でも雨量が多くなる恐れがあります。

大雨災害がいつどこで起きてもおかしくありませんので

ハザードマップや備えなどの確認を行っておきましょう。

雨の後は猛暑復活

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向こう1ヶ月の気温は東・北日本で高く

そのほかはほぼ平年並みの予想です。

はじめは前線の影響で気温が上がりにくいですが

8月下旬以降は太平洋高気圧の張り出しが強まるため

真夏の厳しい暑さが復活します。

北日本では、はじめ寒気の影響で平年より気温が低くなる日もありますが

その後急に暑さが戻るため、寒暖差が非常に大きくなります。

体調を崩さないようお気をつけください。

2.専門版

上層

200hPa流線関数は、1週目は亜熱帯ジェットの波列が明瞭で

朝鮮半島付近に低気圧性循環偏差、日本の南東海上に高気圧性循環偏差がみられ、偏西風の蛇行が大きい。

2週目も偏西風の蛇行が大きいが、日本付近は高気圧性循環偏差で

1週目と変わって北偏傾向が示されている。

3・4週目は1か月平均とほぼ同様。

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200hPa流線関数(1週目、2週目、3・4週目)

中層

500hPa高度は1か月平均で大陸の中緯度帯は広く負偏差で

中国東北区から朝鮮半島はトラフがみられる。

一方、日本の南東海上に正偏差極大がみられ、日本の東でサブハイが強い見込みで、日本付近は西南西流場で暖気が流れ込みやすい。

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500hPa高度(1か月)

また、1週目は朝鮮半島付近で負偏差が明瞭でトラフが深く

北日本の東でリッジ、波列に沿ってアリューシャン南に負偏差がみられる。

2週目は、日本付近は明瞭なリッジで正偏差極大もみられる。

日本の西のトラフが朝鮮半島付近からモンゴル付近へと西に移ったため

波列がずれてリッジが日本付近に予測されているものと思われる。

1,2週目のこの気圧配置は前述の200hPaの偏西風の流れと整合的。

3・4週目は朝鮮半島付近にトラフがみられるが正偏差極大となっており、

平年よりも弱い。

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500hPa高度(1週目、2週目、3・4週目)

下層

850hPa流線関数は日本の南を中心に高気圧性循環偏差となっている。

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850hPa流線関数(1か月)

1週目はシベリアから樺太付近にも高気圧性循環偏差がみられ

それに伴い海面気圧も日本の南北の高気圧が明瞭。

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850hPa流線関数(1週目)

日本付近は気圧の谷が形成され、降水量も顕著な正偏差となっている。

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海面気圧(1週目)

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降水量偏差(1週目)

既に活動が活発となっている前線であるが

来週にかけてこの前線の影響で豪雨となることが予測されている。

2週目になると850hPa流線関数の高気圧性循環偏差の中心が西にずれ

地上の太平洋高気圧の西への張り出しが強まる見込み。

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850hPa流線関数(2週目)

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海面気圧(2週目)

日本の南海上の海面水温が低いことも、高気圧の強まりに寄与していると思われる。

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海面水温偏差(8/9~10平均)

これに伴い西~北日本は高気圧に覆われやすい。

ただ500hPaのシベリア付近のトラフに対応して、中国東北区付近に低気圧が予想され、負偏差となっている。

この周辺で北海道に関しては気圧の谷に入り、湿りが入りやすい。

日本の北の高気圧性循環偏差は不明瞭となるため

1週目に比べると気圧の谷はそれほど明瞭ではなく

北海道に関しては平年並みの周期変化で進むとみられる。

前述のとおり、2週目は顕著なリッジに入るため、層厚が厚い。

850hPa気温は北日本中心に日本付近は正偏差で高温傾向。

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850hPa気温(2週目)

北日本で特に高いのは、海面水温が高いことも寄与している。

北海道で南西の湿った気流が強く入れば、

オホーツク海側で今度は顕著な高温となることも考えられる。

逆に、沖縄付近で負偏差が広がっているのは、海面水温が低いことが関わっていると思われるが

高気圧に覆われて日照時間は平年よりも長いと予想されるため

期間後半に関しては海面水温は上昇し、顕著な低温偏差は解消されるとみられる。

3・4週目は日本海北部から北海道、アリューシャン南にかけて負偏差で

気圧の谷が予想されている。秋雨前線によるものと思われる。

この予想でいけば、現在出ている前線は弱まることがあっても

完全に消滅するわけではなく、秋雨前線という名称をつけたとしても間違いではなさそうだ。

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海面気圧(3・4週目)




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