1か月予報(5/22~6/21)
5月20日発表の1か月予報です。
西日本と東海は記録的な早さでの梅雨入りとなりましたが
度々大雨に見舞われそうです。
1.一般向け
大雨に警戒
向こう1か月の降水量は西日本で多く
東日本で平年並みか多いでしょう。
これは前線が本州付近に停滞しやすく、
さらに太平洋高気圧の西への張り出しが強いため
前線に向かう南西の湿った風が入りやすくなり
前線の活動が活発となりやすいためです。
大きく平均した気圧配置でもこのようになるということは
度々大雨に見舞われるといってもいいでしょう。
まだ梅雨入りしていない関東や北陸でも
天気は周期変化ではありますが、平年に比べ曇りや雨が多い予想ですので
平年よりも早い梅雨入りとなりそうです。
今年の梅雨は期間が長いこともそうですが
一雨の量も多くなる傾向ですので、大雨に警戒をしてください。
沖縄では雨不足に
前線の位置が平年よりも北よりとなるため
沖縄の降水量は平年並みか少ない予想です。
沖縄・奄美で梅雨入りしてから梅雨前線の位置がかなり北寄りで
本州付近で雨が多くなっている分、沖縄地方では雨がかなり少なく
宮古島、八重山地方では少雨に関する情報が発表されています。
農作物や水の管理に注意が必要です。
気温高く熱中症警戒
向こう1か月の気温は北日本や沖縄で高く、
東日本で平年並みか高く、
西日本はほぼ平年並みです。
梅雨前線の位置が平年よりも北に位置しやすいということは
南の暖気がいつもよりも強いということなので
日本付近は暖かい空気に覆われやすくなり、高温傾向となります。
平年よりも曇りや雨の日が多いため
湿度も高く蒸し暑くなります。熱中症にも気を付けましょう。
2.専門向け
偏西風北偏傾向続く
インド洋のSSTが平年よりかなり高く
向こう1か月も対流活発傾向が続く(200hPa速度ポテンシャルで負偏差)
これによりインド北部で偏西風が北に蛇行(200hPa流線関数で高気圧性循環偏差)し、その波列が日本付近に伝わり、
日本付近でも北偏傾向がみられる。
また、フィリピン付近も期間を通して対流活発域となる。
これによりハドレー循環が強化され、太平洋高気圧が強まる予想。
850hPa流線関数では特に1週目に高気圧性循環偏差領域が大きく
西への張り出しが顕著。
海面気圧でも正偏差が明瞭となっており、
沖縄付近は前線が停滞しにくい。
期間半ば前線南下
850hPa流線関数では
フィリピン付近の低気圧性循環偏差は
期間後半に向けて弱まっており
これに伴い太平洋高気圧の勢力の平年との隔たりは弱まってくる。
↑2週目
↑3・4週目
海面気圧では2週目に日本の南海上にくびれが見られ
現在梅雨入りしている西日本と東海では梅雨の中休みとなる可能性があり
沖縄・奄美ではようやく平年通りの梅雨らしい天候となるとみられる。
3・4週目にはくびれは本州付近に見られるため
東日本の梅雨入りは平年並みかやや早いとみている。
逆位相トラフ
ひとつ気になるのが、500hPa高度場。
樺太からその北にかけては2週目以降はリッジが予想されている。
これは寒帯前線ジェットの波列とみられるが
その南で2週目は大陸東部、3・4週目は東シナ海付近にリッジがみられ
逆位相気味である。
↑2週目
↑3・4週目
逆位相トラフの傾向が大きいと、トラフが固定され
梅雨前線の活動の強化、持続につながることが危惧される。
高気圧の縁辺流の流れ込みも本州付近へは平年よりも強いために
大雨への警戒を強めたほうがよさそうだ。
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