1か月予報(10/23~11/22)
10月21日発表の1か月予報です。
寒気の流れ込みが弱く、気温が高くなりそうです。
1.一般向け
寒さから一転高温傾向に
向こう1か月の気温は北日本と沖縄・奄美で高く
西~東日本は平年並みか高い予想です。
偏西風が例年より北寄りを流れる影響で
寒気の流れ込みが弱く、暖かい空気に覆われやすいため
高温傾向となっています。
一気に初冬のような肌寒さとなった10月半ばですが
この先は暖かい日もあり、季節の進みはまたゆっくりとなります。
特に11月のはじめの気温はかなり高くなる所もあるでしょう。
北日本は少雨多照
向こう1か月の日照時間は北日本日本海側で平年並みか多く
その他はほぼ平年並み。
降水量は北日本日本海側で平年並みか少なく
その他はほぼ平年並みの予想です。
この時期は寒気の影響で北日本日本海側では
時雨ることが多いですが、その寒気の影響が弱いために
平年より曇りや雨・雪の日が少なく、少雨多照傾向となっています。
その他のエリアは秋らしく天気は周期変化するため
太平洋側では平年同様秋晴れの日が多くなります。
2.専門版
熱帯
200hPa速度ポテンシャルは
インド洋と南米、大西洋で負偏差が続き対流活発。
一方、太平洋中部付近やフィリピン付近は不活発の予測。
200hPa速度ポテンシャル(熱帯、1か月)
上層
インド洋の対流活発に対応して
中東~南アジアは高気圧性循環偏差、その北で低気圧性循環偏差となり
その偏差は日本付近にも及ぶ。
200hPa流線関数(1か月)
1週目は寒帯ジェットの波列が影響し、日本の東で高気圧性循環偏差が強く
日本付近で低気圧性循環偏差が強い。
200hPa流線関数(1週目)
2週目はヨーロッパ北部の循環が逆転するため
その波列が伝わり日本付近は高気圧性循環偏差に転ずる。
200hPa流線関数(2週目)
3・4週目は1か月平均とほぼ同様の傾向。
200hPa流線関数(3・4週目)
中層
樺太~北太平洋中部は正偏差で北日本はリッジに入りやすい。
大陸中緯度帯は負偏差が見られ、本州付近は西谷傾向。
これにより、日本付近への寒気の流れ込みが弱く
南からの暖気に覆われやすいことが予想される。
500hPa高度(1か月)
しかし、1週目に限っては亜熱帯ジェットの南偏に伴い
西~東日本は負偏差となっている。
また、シベリアには明瞭なリッジを予測。
500hPa高度(1週目)
下層
海面気圧は西谷傾向に対応して日本付近に気圧の谷が予想され
本州付近は負偏差域もかかる。
大陸も負偏差となっており、シベリア高気圧の勢力が弱く
西~東日本は前線や低気圧の影響を受ける時期がある。
海面気圧(1か月)
1週目は上層リッジの影響もあり大陸の高気圧が強い。
海面気圧(1週目)
このため850hPa気温も西日本~東北で負偏差と低温傾向。
850hPa気温(1週目)
2週目以降は1か月平均とほぼ同じ傾向で
気温も正偏差域がかかり高温傾向となる。
850hPa気温(2週目、3・4週目)
また、3・4週目は関東沖に低気圧が予想されており
気温も高いことから多雨傾向となる可能性もある。
海面気圧(3・4週目)
まとめ
・ヨーロッパ北部からの寒帯ジェットの波列の影響で
1週目は日本付近で南偏傾向、その後北偏傾向となる。
・1週目は寒気の影響で低温傾向
2週目以降はシベリア高気圧の弱化も影響し
高温傾向となる。
・寒気の影響を受けにくい北日本日本海側は少雨。
・3、4週目は低気圧や前線の影響で
太平洋側で多雨に偏る可能性もある。