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1か月予報(7/24~8/23)

7月22日(木)発表の1か月予報です。

猛烈な暑さになる一方、太平洋側では雨が多くなるかもしれません。

1.一般向け

各地で猛暑

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向こう1か月の気温は暖かい空気に覆われやすいために

全国的に平年より高い予想です。

特に西~北日本では期間前半はかなり高くなりそうです。

熱中症に厳重な警戒が必要でしょう。

太平洋側で多雨傾向

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向こう1か月の降水量は沖縄・奄美と、東・北日本太平洋側で平年並みか多い予測です。

日本の南海上に気圧の谷が予測されており、

南西諸島や太平洋側には東寄りの湿った風が入りやすいため

多雨傾向が予測されています。

これは、台風等の熱帯擾乱によるものもあり

一雨が多くなる恐れもあるため、注意が必要です。

一方、東風が入りにくい日本海側は平年よりも少ない予測となっており、少雨傾向です。

北海道では6月下旬からかなりの少雨となっており

平年の1割を下回っている地点もあります。

これからも少雨傾向が続くため水不足への懸念が高まります。

出来る限りの節水を心掛けましょう。

日本海側で特に晴れ多い

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湿った風が入りにくい影響で、平年よりも晴れる日が多い

西~北日本の日本海側の向こう1か月の日照時間は

平年並みか多いでしょう。

このため平年よりも晴れる日が多いと予想されます。

お出かけはしやすいですが、炎天下に長時間いるのは危険なので

適度に休息をとりながら過ごしましょう。

2.専門版

SST分布

ラニーニャの名残があり、太平洋熱帯域の西部で高温、中部以東で低温偏差。

またインド洋は北半球側で広く正偏差だが、東部の方がより高い。

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SST(一か月)

対流活動

上記の海面水温の分布に対応して

200hPa速度ポテンシャルでは日本の南の20°N付近に負偏差(発散)が広がり

インド洋西部では正偏差(収束)が予測されている。

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200hPa速度ポテンシャル(1か月)

降水量偏差を見るとベンガル湾付近と日本の南海上で正偏差が顕著で

対流活発を示唆している。

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降水量(1か月)

MJOの東進は不明瞭で、熱帯域のインド洋西部は期間を通して不活発、

インド洋東部から太平洋西部で活発が予測されている。

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200hPa速度ポテンシャル(赤道域、1か月)

対流活動の応答

ベンガル湾~太平洋20°N帯の対流活発に伴い

850hPaでは低気圧性循環偏差が明瞭。

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850hPa流線関数(1か月)

その上空200hPa流線関数はそのやや北側に低気圧性循環偏差がみられ

その南北両サイドに高気圧性循環偏差がみられる。

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200hPa流線関数(1か月)

平年であればフィリピン付近で対流活発となり

PJパターンにより日本付近に太平洋高気圧が張り出してくるが

対流活発域が20°Nとやや北に位置しているため

このような三極構造が形成されている可能性がある。

サハリン付近の偏西風北偏は寒帯ジェットの波列が主な要因で

この構造の手助けとなっている。

天候への影響

この構造に伴い、海面気圧も日本の南に気圧の谷が形成されており

北日本付近は気圧の尾根が張り出している。

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海面気圧(1か月)

大きな目でみれば北高型であるが、

500hPaのサハリン付近の明瞭なリッジから北に暖気が滞留しているため

むしろ高温側に予測されているものと思われる。

また、南海上の気圧の谷は、台風6号や次に予測されている熱低も大きく寄与しており、

2週目にかけてはこのような状況が予測されていることから

熱帯擾乱が多く発生する可能性も視野に入れなければならない。

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海面気圧(1週目、2週目)

太平洋Hは北日本に張り出す形であるため

台風が発生すれば本州付近まで北上し

さらには動きが非常に遅いということも考えられる。

そうすると一雨が相当多くなるという見方もできるので要警戒である。




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