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1か月予報(10/16~11/15)

10月14日発表の1か月予報です。

非常に寒暖差の大きい1か月となりそうです。

1.一般向け

低温のち高温

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向こう1か月の気温は沖縄・奄美は平年より高く

その他はほぼ平年並みの予想です。

沖縄・奄美は周辺の海が暖かいため高温傾向となります。

西~北日本は寒暖差が非常に大きく、平均すると平年並みになります。

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あさって(土)からの1週間は日本付近に

この時季としては強い寒気が流れ込むため

気温はかなり低くなります。

低温に関する早期天候情報も発表されており

10年に一度レベルの低温になる可能性が高くなっています。

衣替えの準備を急ぎましょう。

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一方、23日(土)以降は平年並みか高い予想となっており

高温傾向に戻ります。

さすがに真夏日が続出するような暑さにはならないと思いますが

寒くなってからの高温となるため体調管理に十分注意しましょう。

雨多い

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向こう1か月の降水量は沖縄・奄美と北日本太平洋側はほぼ平年並みの他は

平年並みか多い予想となっています。

日本海側は寒気の影響、太平洋側は前線の影響を受けやすいためです。

このため日照時間も少ない予想となっています。

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この傾向はずっと続くわけではなく

11月に入ると太平洋側は平年同様晴れる日が多くなるでしょう。

2.専門向け

熱帯

熱帯の200hPa速度ポテンシャルは

期間を通してインドネシア付近と南米付近で負偏差と対流活発を予測。

ここまで続いてきた南シナ海~フィリピン付近の対流活発は

海面水温の低下により期間後半になるにつれ弱まり、不活発傾向となる。

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200hPa速度ポテンシャル(熱帯、1か月)

上層

熱帯の対流活動に対応し、大陸南部で高気圧性循環偏差

日本付近は低気圧性循環偏差となり、これまでの傾向と変わる。

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200hPa流線関数(1か月)

フィリピン付近の対流活発が弱まるため、

日本付近の偏西風北偏傾向が南偏傾向に変わったとみられる。

また、ヨーロッパ北部の低気圧性循環が

寒帯ジェットの波列により日本付近で低気圧性循環を作っており

顕著な偏西風南偏になるとみられ、その傾向は1週目に特に強く出ている。

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200hPa流線関数(1週目)

2週目以降は北日本は高気圧性循環偏差に転じ

西~東日本で偏西風南偏傾向が残る。

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200hPa流線関数(2週目、3・4週目)

中層

500hPa高度はヨーロッパ付近で負偏差

中央シベリアで正偏差、日本付近で負偏差の波列パターンがみられる。

上層ジェットに対応しているものとみられる。

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500hPa高度(1か月)

1週目にこのパターンが特に顕著で、全国的に寒気が流れ込みやすい。

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500hPa高度(1週目)

2週目以降はシベリアのリッジが弱まるため

日本付近のトラフも弱まり、

西南西流場となるため暖気が流れ込みやすい場に変わるが

上層ジェットにも対応し

2週目は黄海、3・4週目は西日本に負偏差がみられる。

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500hPa高度(2週目、3・4週目)

下層

850hPaは中層の高度場に対応して

日本付近で低気圧性循環偏差となっている。

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850hPa流線関数(1か月)

1週目はその傾向が明瞭だが、2週目以降はトラフ弱化に伴い

その循環は弱まる。

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850hPa流線関数(1週目、2週目、3・4週目)

海面気圧は下層循環に対応し、日本付近は負偏差で気圧の谷が深い。

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海面気圧(1か月)

1週目は大陸の高気圧も強く北日本中心に冬型となり

日本付近への下層寒気の流入が強い。

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850hPa気温、海面気圧(1週目)

2週目は大陸の高気圧が弱く、偏西風が北偏する

北日本中心に高温偏差。

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850hPa気温、海面気圧(2週目)

3・4週目は再び日本付近が気圧の谷となるが

アリューシャン低気圧の強さが平年並みで

寒気の流入は弱い。

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850hPa気温、海面気圧(3・4週目)

まとめ

・亜熱帯、寒帯ジェットは1週目日本付近で南偏。

・1週目は強い寒気が流れ込む。

・2週目以降は大陸のリッジが弱まるため

 ジェットの南偏傾向も弱まり

 寒気の流入は収まる。





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マニアック松浦(気象予報士・防災士)
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