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1か月予報(5/29~6/28)

5月27日発表の1か月予報です。

6月後半は梅雨空が続き、気温も高く蒸し暑くなるでしょう。

1.一般向け

気温高め

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向こう1か月の気温は沖縄~東日本は高く、

北日本は平年並みか高い予想で全国的に高温傾向です。

これは偏西風が日本付近では南西から北東方向に吹きやすく

南から暖かい空気が流れ込みやすくなるためです。

沖縄と北日本で多雨傾向

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向こう1か月の降水量は沖縄で平年並みか多く

その他はほぼ平年並みです。

沖縄は5月末から6月はじめは前線の影響を受けやすく

平年に比べ曇りや雨の日が多いため、降水量も多くなるでしょう。

長い梅雨の中休みでしたが、いよいよ本格的に梅雨らしい天候となります。

大雨に警戒が必要でしょう。

北日本では気圧の谷や前線の影響を受けやすいため

平年と比べ曇りや雨の日が多くなります。

このため降水量はほぼ平年並みとなっていますが

どちらかと言えば多雨傾向です。

西~東日本の多雨傾向は?

3か月予報によれば西~東日本の6月は多雨傾向でしたが

今回の予報では平年並みの予想です。

ただ今回は数値予報モデルがうまく計算できていない可能性があり

後半の予報については様子を見たほうがよさそうです。

引き続き大雨への備えの確認をお願いいたします。

2.専門向け

インド洋対流活発

MJOにより赤道付近の対流活動は前半は太平洋西部から東部に東進し

後半は大西洋に進む見込み。

キャプチャ

また、インド洋とフィリピン付近は対流が活発な状態が続く。

インド洋の対流活発が日本付近の偏西風北偏に影響し

梅雨前線の早期北上を促したが

その際はインド洋西部で特に対流活発であった。

予報期間は東部で活発なために北偏位置がやや東にずれている。

(200hPa流線関数で日本の東で高気圧性循環偏差が見られる)

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500hPa高度場でも東シナ海付近にトラフがみられ

日本付近は南西流場となりやすい。

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このため全国的に高温傾向になっているものとみられる。

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沖縄で前線活動活発

東シナ海でトラフが卓越するため

これまで空梅雨が続いていた沖縄付近には

前線がこれまでより南に停滞しやすく

沖縄では前線の影響を受けやすい。

海面気圧でも沖縄付近に前線帯に対応するくびれがみられる。

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西日本は梅雨の中休み

また500hPa高度場で北海道付近は負偏差となっている。

これに伴い海面気圧で北日本付近にもくびれがみられる。

沖縄と北日本の前線帯に挟まれる本州付近は

相対的に気圧が高くなるため、西日本~東海は梅雨の中休みに入るとみられる。

この傾向は週間予報を元にすれば1週目までは有効だが

その後は気象庁資料にも海面水温低下がモデルに反映できていないとされているため

6月中旬以降は少雨傾向になるとはされていない。

実際、3・4週目は日本州付近にくびれがみられ

関東なども6月中旬ごろには梅雨入りするとみられると考えると

少雨傾向と言い切るのは厳しい。

大雨への警戒呼びかけ引き続き

これまで6月の降水量は西~東日本で多いと予想されてきて

大雨への警戒を呼び掛けていたが

今回の予報でその傾向はあまり反映されていない。

次回資料で変わってくる可能性があるため

今後の資料に留意する必要があるだろう。


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マニアック松浦(気象予報士・防災士)
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