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1か月予報(9/18~10/17)

9月16日発表の1か月予報です。

全国的に気温が高く、残暑が長引きそうです。

1.一般向け

高温傾向

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向こう1か月の気温は全域で平年より高い見込みです。

偏西風が平年よりも北寄りを流れるため、寒気が流れ込みにくいためです。

また、気象庁から高温に関する早期天候情報が出ており

西~北日本では来週22日以降の気温はかなり高くなる予想となっています。

農作物の管理に十分注意が必要でしょう。

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気象庁HP 早期天候情報のページより

暑さ寒さも彼岸までといいますが、彼岸を超えても暑い日が続くため

油断せず熱中症対策を行ってください。

晴れ多く少雨傾向

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向こう1か月の降水量は西日本で平年並みか少なく

その他はほぼ平年並みの予想です。

平年よりも高気圧に覆われやすく、秋雨前線の影響を受けにくいため

西日本中心に雨が少ない予想です。

東日本も高気圧に覆われやすいですが、土曜日に台風14号の影響で

大雨となる恐れがあるため、相殺されて平年並みの予想となっています。

また、この高気圧の影響で平年よりも晴れる日が多くなるため

日照時間は西・東日本で平年並みか多い予想です。

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秋晴れが多く、暑さが厳しい1か月となりそうです。

2.専門向け

熱帯

期間を通して熱帯域の200hPa速度ポテンシャルは

インド洋~インドネシア付近で負偏差と対流活発

太平洋中部~東部は正偏差で対流不活発の予測。

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200hPa速度ポテンシャル(熱帯)

海面水温分布がインド洋~インドネシアで高温偏差で

太平洋中部~東部で低温偏差となっており、

この分布が対流活動に寄与している。

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海面水温偏差(9/13~14平均)

上層

インド洋の対流活発も影響して

200hPa流線関数は西アジアで高気圧性循環偏差となっており

チベット高気圧は平年の西側で強い。

その波列が東に伝わり朝鮮半島付近に高気圧性循環偏差となり

日本付近で偏西風は北偏傾向。

またその東では低気圧性循環偏差で偏西風南偏傾向で

ジェットから破砕した寒気がUCLとなり

西進する可能性もある。

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200hPa流線関数(1か月)

中層

200hPaの偏西風分布に対応し

500hPa高度は日本海を中心として日本付近は正偏差で

寒気の流れ込みが弱く、暖気に覆われやすい。

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500hPa高度(1か月)

下層

850hPa流線関数は日本付近は高気圧性循環偏差となっており

それに対応して海面気圧も日本付近は広く正偏差。

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850hPa流線関数(1か月)

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海面気圧(1か月)

樺太付近は期間を通して負偏差域が見られ

北日本は気圧の谷の影響を度々受けるため

高気圧に覆われやすいのは西~東日本となり

少雨多照傾向の予想が出ている。

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降水量偏差(1か月)

南西諸島付近は気圧の谷が予想されており

その傾向は2週目以降で明瞭。

負偏差ではなく、顕著な湿りの流入はなさそう。

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海面気圧(1週目、2週目、3・4週目)

2週目以降にみられる理由は

850hPa流線関数の高気圧性循環偏差が1週目は沖縄付近で

2週目以降本州→北日本へと移っていき

相対的に低気圧性循環偏差域になるからだと思われる。

インドネシア付近の低気圧性循環偏差が徐々に北上することが

この分布を作っているものとみられ

前述のUCLの影響を受ける恐れもあることから

熱帯擾乱の接近も考慮した方がいいかもしれない。

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850hPa流線関数(1週目、2週目、3・4週目)

850hPa気温は日本付近は正偏差域に入っており

1週目が特に偏差が大きい。

偏西風北偏で暖気に覆われやすいことに加え

日本付近が高気圧に覆われやすい

南高北低気圧配置になっていることなどが理由に挙げられる。

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850hPa気温(1か月)

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850hPa気温(1週目、2週目、3・4週目)

まとめ

・日本付近で偏西風北偏、暖気に覆われ全国的に高温傾向

・日本付近は高気圧に覆われやすく西~東日本で少雨多照傾向

・沖縄は期間後半、熱帯擾乱の動向注意

(画像:一部除きウェザーマップより)




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