1か月予報(5/15~6/14)
5月13日発表の1か月予報です。
季節の進みは早く、西日本は梅雨入りが近づいています。
1.一般向け
早くも夏のような蒸し暑さ
向こう1か月の気温は、全地域で平年より高い予想です。
これは偏西風が平年よりも北寄りを流れるため
暖かい空気に覆われやすいからです。
特に、沖縄・奄美、西・東日本では5月中旬ごろは
かなり高く、湿った空気の影響を受けやすいため
湿度も高く蒸し暑くなるでしょう。
例年よりも早く熱中症への注意を向ける必要があります。
梅雨入りも早い
日照時間は西・東日本で少なく、北日本は平年並みか少ない予想です。
一方で沖縄・奄美では平年並みか多い予想です。
これは前線が例年よりも北よりに停滞しやすく
いつもなら前線の影響を受けやすい沖縄・奄美で平年より晴れる日が多く
例年だとまだ梅雨明けしていない西日本以北で平年より曇りや雨の日が多くなるためです。
つまり、梅雨入りが早いということが言えそうです。
西日本では記録的に早い梅雨入りの所が出てくるでしょう。
東日本は5月末~6月はじめの天候が周期変化で
晴れる日もそれなりにあるため、梅雨入り発表があるか微妙ですが
いずれにしても梅雨のような天気が5月中は続くため
大雨に注意が必要な季節に入ります。
また、湿気対策も始めましょう。
2.専門向け
偏西風北偏の要因
200hPa流線関数を見ると日本付近は高気圧性循環偏差が明瞭であり
偏西風北偏傾向を示している。
その西側ではインドの北とアラビアの北に高気圧性循環偏差が見られる。
この亜熱帯ジェットの波列が日本に伝わっているとみられる。
インド北の北偏に関してはインド洋のSST高温偏差による
対流活発(インド付近の200hPa速度ポテンシャル負偏差)が効いているものとみられる。
太平洋高気圧強化
上記の偏西風北偏でも梅雨前線の早期北上の理由になるが
太平洋高気圧の西への張り出しの強化も効いている。
フィリピン付近のSSTはさほど平年より高いわけではないが
MJOの対流活発領域が期間半ばにかけフィリピン付近を東進するため
ハドレー循環強化により太平洋Hの西への張り出しが強まる。
期間後半は対流活発域は太平洋東部に進むが
フィリピン付近は活発な状態が継続する。
対流活動はやや弱まるため、
850hPa流線関数の日本の南の高気圧性循環偏差は
その他の期間に比べて相対的に弱い。
このタイミングで前線は南下しやすくなるため
東日本の天候が周期変化すると予想されているのであろう。
梅雨入りさせるのか?
周期変化であれば確かに梅雨の中休みというよりは
それまでを梅雨の走りとみた方が自然なのだろうが
どこかしらで梅雨前線の活動が活発となり、大雨となる恐れもあると考えれば
注意喚起の意味で、来週からの雨で梅雨入りさせてもいいのではないかと
個人的には感じる。
いずれにせよ、大雨に注意が必要な時季がやってくるため
これからの短期予報、長期予報は特に注視したい。