1か月予報(6/12~7/11)
6月10日発表の1か月予報です。
気温と湿度が高く、梅雨らしい蒸し暑い日が多くなりそうです。
1.一般向け
高温傾向
向こう1か月は暖かい空気に覆われやすく
気温は北日本と沖縄・奄美で高く
その他は平年並みか高い予想です。
また、西~北日本は平年同様曇りや雨の日が多く
湿度の高い暑さとなるため、熱中症に警戒が必要です。
特に、12日(土)からの1週間は、
全国的に気温が高い予想となっており、
季節先取りの暑さとなる所もあるため、特に体調管理に気を付けましょう。
東日本も梅雨入りへ
先述の通り、この先は曇りや雨の日が多いため
梅雨入りがまだの関東や北陸も梅雨入りとなるでしょう。
梅雨前線は6/19以降、本州付近に停滞しやすく
東北北部は今月下旬の梅雨入りとなりそうです。
また、沖縄は6/26~7/9の期間は平年同様に晴れの日が多く
今月下旬には梅雨明けとなりそうです。
向こう1か月の降水量は沖縄・奄美で平年並みか多く
その他は平年並みの予測です。
沖縄では6月中旬ごろは梅雨末期の大雨に警戒が必要でしょう。
2.専門版
偏西風やや南下
200hPa流線関数は北半球中緯度帯は広く高気圧性循環偏差が見られ
中国付近と日本の東にその中心が見られる。
このため、平年に比べ偏西風は北偏傾向だが
日本付近はその中で相対的に南下しやすい場にある。
1週目の高温傾向
その傾向は1週目に特に明瞭にみられるが
気温は高温傾向である。(850hPa温度場で日本付近は正偏差域)
これは海面気圧が中国東北区付近に低気圧がみられ
日本付近には暖かい空気が流れ込みやすいために、高温傾向が出ているとみられる。
MJO
1週目に特にこの傾向が明瞭にみられる理由であるが
MJOは1週目にインド洋~フィリピン付近、2週目に大西洋域に対流活発域が東進する見込みで、
1週目のインド洋の対流活発が中国付近での偏西風北偏に効き
その波列が伝わってきているものとみられる。
このため、インド洋~フィリピン付近の対流が不活発になる
期間後半は高温傾向は弱い。
沖縄の梅雨明けには留意
気象庁発表では沖縄の後半の天候は平年同様を見込んでいるが
フィリピン付近の対流不活発により
海面気圧は沖縄の南で負偏差となっており、
太平洋高気圧の西への張り出しはやや弱いものとみられるため
梅雨明けが遅れる可能性も視野に入れたほうがいい様に思う。
大雨傾向なくなる?
3か月予報の6月大雨傾向については
今回資料では明瞭に現れていない。
3か月予報資料ではラニーニャの名残で
西太平洋熱帯域の高温偏差が顕著でサブハイの西への張り出しが強まる予想であったために
西~東日本での多雨傾向が示されていたが
今予報期間はMJOにも絡んでフィリピン付近の対流不活発が予測されているためこのような予測となっている。
ラニーニャ終息
同時に発表されたエルニーニョ監視速報でも
ラニーニャ現象は終息したとのことであり
西太平洋熱帯域の高温偏差は次第に平年並みに近づくと思われる。
梅雨末期の大雨には例年通り警戒が必要であるが
この長期予報の解像度でいけば直近で大規模災害につながるような気圧配置ではなさそうだ。