3ヶ月予報(9〜11月)
8月23日発表の3ヶ月予報です。
秋は残暑が厳しく、雨が多くなるでしょう。
1.一般向け
残暑のち寒波
向こう3ヶ月の気温は西〜東日本と沖縄・奄美で平年より高く、北日本は平年並みか高い予想です。偏西風が平年よりも北寄りを流れるため、暖かい空気に覆われやすく、高温傾向です。ただ、この傾向は10月までで、11月は平年並みの気温となります。11月後半は寒気が流れ込みやすいため、一気に冬へと移行しそうです。秋らしい秋はかなり短いでしょう。
大雨注意
向こう3ヶ月の気温は全国的にぼほ平年並みです。ただ、10月は西〜東日本太平洋側と沖縄・奄美は平年並みか多い予想です。秋雨前線や湿った空気の影響を受けやすいため、雨の量が多くなるでしょう。太平洋高気圧の張り出しが例年よりも強いため、いつもよりも台風が近づきやすい時期が長引くので、台風による大雨にも注意が必要です。
2.専門向け
熱帯
冬にかけてラニーニャ現象が続く可能性が高く、向こう3ヶ月のSST偏差も、太平洋赤道域の西部で高く、中部より東で低い予想。また、インド洋西部は高く、東部で低い予測で、負のIODの特徴が出ている。
SST偏差に対応して、インド洋東部〜太平洋西部で対流活発、中部で不活発の予測。
上層
インド洋の対流活発などの影響により、200hPa流線関数は、ユーラシア大陸では高気圧性循環偏差となり、チベット高気圧は北に強い。また、北太平洋から北米も高気圧性循環偏差の予測で、亜熱帯ジェット気流は北半球全体で北偏傾向。その中で日本付近は相対的な低気圧性循環偏差となっており、南偏する時期がある。また、太平洋西部の対流活発に対応して、太平洋低緯度帯は赤道対の低気圧性循環偏差が見られ、亜熱帯ジェットから切り離されるUCLが西進し、太平洋西部の対流活動をさらに活発にさせる可能性がある。
中層
上層ジェットの北偏に対応して、500hPa高度も中緯度帯は正偏差。日本の東で特に強く、日本付近は西谷傾向で西南西流場。ただ、11月は負の北極振動により、日本付近に負偏差が予測されており、寒気が流れ込みやすい場に変わってくる。
下層
850hPa流線関数はインド洋で赤道対の低気圧性循環偏差。太平洋上では高気圧性循環偏差の予測。インド洋〜太平洋西部の対流活発に対応している。太平洋高気圧の勢力が強く、日本付近には湿りが入りやすい傾向。
海面気圧は日本付近で負偏差となっており、湿った空気が流れ込みやすく多雨傾向。10月の負偏差が特に大きく、10月は前線帯の影響で多雨傾向が顕著。南西諸島の南は低圧部になっており、UCLの影響も加わり、この付近で熱帯擾乱が発生しやすくなる可能性がある。
下層、中層ともに暖気が流れ込みやすく、日本付近の850hPa気温は正偏差で高温傾向。11月は上空トラフが入りやすいため、負偏差に転じる。低気圧の通過後に、強い寒波が流れ込んでくる可能性が高く、季節は急速に進むと思われる。9月10月の高温偏差は、大陸由来の冷涼で乾燥した高気圧に覆われにくく、放射冷却が効きにくいことも影響していると思われる。