3ヶ月予報(10〜12月)
9月20日発表された3ヶ月予報です。
暖かい秋のち寒い冬になりそうです。
日本海側では雪の量が多くなるでしょう。
1.一般向け
暖のち寒
向こう3ヶ月の気温は全国的にほぼ平年並みの予想です。ただし、月別に見ると大きな違いがあります。
10月は偏西風が北寄りを流れて、暖かい空気に覆われるため北〜西日本の気温は平年より高く、沖縄・奄美は平年並みか高い予想です。暖かな秋となるでしょう。内陸部の紅葉は少し遅れるかもしれません。
11月の気温は全国的にほぼ平年並みです。暖気に覆われる時期がありますが、偏西風は南寄りを流れるため寒気の影響も受けやすく、前半と後半で気温差が大きくなりそうです。
12月は偏西風の南への蛇行が顕著となり、冬型の気圧配置が強く、寒気が流れ込みやすいでしょう。このため西〜東日本は平年並みか低く、その他はほぼ平年並みです。全国的に低温傾向で、冬の訪れは一気にやってきそうです。
雪多い
向こう3ヶ月の降水量は全国的にほぼ平年並みですが、
北〜西日本日本海側は多くなる可能性がやや高くなっています。これは12月の強い寒気の影響を受けやすいためです。気温も低い傾向なので、初冬から大雪となる所も出てきそうです。一方、太平洋側は空っ風の影響で、雨の量が少なくなりますが、10月は南からの湿った空気の影響を受けやすいため雨の量が多くなり、3ヶ月平均は平年並みとなります。
2.専門版
熱帯
ラニーニャと負のIODの影響で、熱帯のSSTはインド洋東部〜太平洋西部で正偏差。
SST偏差に対応して、熱帯の対流活動はインド洋西部と太平洋中部で不活発、インドネシア付近で活発の予測。
上層
インドネシア付近の対流活発に対応して、200hPa流線関数はユーラシア大陸で高気圧性循環偏差。また、太平洋赤道域は熱帯対流活動に対応して、赤道対の低気圧性循環偏差。その北側では高気圧性循環偏差となっており、この影響で日本付近は相対的な低気圧性循環偏差となっている。期間後半にこの傾向が強まり、寒気が流れ込みやすい場に変わっていくと思われる。
中層
上層循環に対応して、500hPa高度はユーラシア大陸と北太平洋で正偏差、日本海には負偏差がみられる。こちらも期間後半に傾向が明瞭となる。
下層
熱帯の対流活動に対応して、850hPa流線関数はインド洋〜南シナ海場低気圧性循環偏差。太平洋上は高気圧性循環偏差。期間前半は南からの暖気や湿りの流入に寄与する。期間後半は、上層トラフの影響で日本付近は低気圧性循環偏差となり、北風偏差に変わるため下層寒気が流入しやすくなる。
海面気圧は大陸で正偏差、日本付近は負偏差。本州は気圧の谷が予測されており、前線帯に対応しているものと思われる。期間前半の南からの湿りにより、前線活動が活発となり太平洋側で多雨となる可能性が高い。また、アリューシャン低気圧は西で負偏差、東で正偏差となっており、西側で強いことから、大陸の高気圧の正偏差とも相まって冬型が強い傾向。寒気が流れ込む期間後半は日本海側での降水が増え、多雨多雪傾向。
850hPa気温は、日本付近で正偏差と全体的には高温傾向だが、期間後半の下層寒気流入により、朝鮮半島付近には負偏差が見られる。期間前半は高温傾向で、後半は低温傾向に転ずる。