不思議がいっぱい
異音がする。
生まれてすぐ心臓の音に異音が混じっていて
検査を受けると、穴が空いてることがわかった。
6歳になる頃までに自然に塞がる
ケースがほとんどですね、と説明を受けても
呆然としたことを覚えてる。
塞がらない場合は手術するか
激しい運動を控える人生を歩むか
きっと大丈夫だよと
身近な人に声をかけてもらっても
6年間、払拭できないものがあった。
こういうことがあるって
親になるまでに見たり聞いたりして
頭ではわかってるつもりだった。
親になってみないとわからないことって
これか。
心っていうのは
実感して初めて、慌てて動き出すんだ。
今日、検査を受けて
穴が塞がってることがわかった。
きっと麦わらくんも不安だったろう。
「オリンピック選手にもなれますよ」
先生が言ってくれた。
世界中に
「残念ながら…」とお医者さんに言われる
家族がいる。
良かった…と胸を撫で下ろすことも
なんで…と途方に暮れることも
人の目に触れずに、誰にも気づかれずに
いろんな街のいろんな人に起きてる。
麦わらくんが眠る前に帰宅できた日は
手を繋いで、せーの、で唱えてる
「祓え給い 清め給え
神ながら 守り給い 幸え給え
今日もありがとうございました」
明日も
些細なことにがっかりしたり
しょうもないことに腹を立てるかもしれない。
でも
誰かを笑わせられるかもしれないし
ものすごく感激する日になるかもしれない。
素直に生きて
ありがとうございました、と
1日を終えたい。
せっかくの命だから。
Life is wonderful
不思議がいっぱい。