[最新版]バリスタおすすめコーヒー器具
ドリッパーやミル、コーヒーの道具って何を買えば良いのかわからなかったり難しかったりしますよね。
今日はコーヒー屋をやっている僕が、これなら間違いない、というコーヒーの器具を、思いつくもの全て一式紹介していきます。
これからドリップを家で始めたい方も、もっといいものに買い換えたい方もぜひ参考にしてみてください。
ドリッパー
やっぱりまずはドリッパー。
メーカーによって穴の大きさやつくりが違うため、お湯が抜けるスピードが主に変わってきます。基本的にどんな抜けであっても、挽き目やお湯の量の調整で美味しくなるので、1つ目の購入ならどれでも正直OKだと思います。2つ目の購入を迷ったときには、もう少し抜けが遅いもの、早いものという基準で選んだり、デザインが違うタイプを買っても良いかもしれません。
おすすめドリッパー1: HARIO V60
正直これ買っておけば間違いない感があります。日本のガラスメーカーのHARIOさんが出しているV60。世界でも最も使っている人も多いドリッパーなのではないでしょうか。使ってる人やお店も多い分、注ぎ方とかレシピも他の人のを参考にしやすいです。抜けは早めなタイプです。
おすすめドリッパー2: KALITA WAVE
コンパクトなデザイン。KALITAさんが出しているウェーブドリッパーもおすすめです。波佐見焼や燕三条での金属加工など、日本の伝統的な工業とコラボしているのも素晴らしいですよね。僕はステンレスのものが好きです。小さな穴が3つ対象的な位置に開いており、V60に比べたら抜けが少し遅めで、お湯がしっかり溜まって均等に抜けていくので、注ぎによるブレが少なく抽出できるのも良いところです。
2杯分以上淹れる時
上記は基本的に1杯分でおすすめなドリッパー。多く淹れたとしても、成分の出過ぎにならない限られた時間で淹れる場合は、20gの粉に320gくらいのお湯で注ぐ、1.5杯分くらいが限界だと感じます。
2杯分の時は、粉:お湯 を同じ比率で保ったまま、同じ抽出時間で淹れるのが基本。例えば15gの粉に235gのお湯のレシピなら、2杯分はそれぞれ倍にした、30gの粉に470gのお湯。倍の量のお湯だからと言って長い時間かけて注いでしまったら、お湯と粉の接触が増えて、過抽出になってしまい、イガイガ感や雑味の原因になってしまいます。同じ時間で倍の量注いでいっても溢れないために、大きいドリッパーが必要になります。3杯〜4杯分の時はもっと大きいドリッパーを用意しましょう。
大は小を兼ねるといえば兼ねるので、大きめのドリッパーを1つ用意して、1杯分も2杯分も3杯分も同じドリッパーで淹れるのも確かにありです。ただ個人的には、大きいドリッパーで1杯分淹れる時はドリッパーが大きい分ケトルの注ぎ口から粉までの距離が遠くなってしまうので、注ぎの時のお湯の落差での勢いが強くなってしまったり、使いやすさと言う意味でも一番小さいドリッパーで淹れたいなという気持ちです。HARIOさんのプラスチックのドリッパーは非常に安価なので、たまに淹れるための大きいドリッパーとして置いておくには便利かもですね。興味ある方は、2杯取りの淹れ方を紹介した動画や、注ぎの勢いで味がどう違うか検証した動画を見てみてください。
もっと大きいもの
本気出せば1L注ぎでドリップできます。イベントとかでまとめて淹れる時に重宝しますね。
個性あるドリッパーたち
1: フラワードリッパー
淡いカラーバリエーションもとても素敵な三洋産業さんのフラワードリッパー。実は世界で最初に円錐形のフィルターを開発した、円錐系の抽出の先駆けの会社です。フィルターも非木材で麻の繊維を使った「アパカフィルター」を販売していて、お湯の抜けが少し違います。ドリッパーはV60と同じように抜けが早めのタイプ。
2: KONO
円錐形だけど穴が小さめで、側面のリブと呼ばれる凸凹もないので、ピタッとフィルターが側面に張り付き、側面を通って落ちるお湯も少なくなり、抜けが遅めで抽出効率は高くなる、元祖円錐ドリッパー。
3: ORIGAMIドリッパー
岐阜県土岐市の株式会社ケーアイがつくったドリッパー。とにかく見た目が可愛い。そして抜けも早めなので挽き目を細かくしていける。カラーバリエーションも素晴らしく、つい家に置きたくなるドリッパー。樹脂製の新作もまた出るらしい。
4: キャンプにおすすめ Zebrang v60
折り畳みできるシリコン性のV60。HARIOさんがアウトドア向けに始めたら足しいブランドZebrangが出したドリッパー。くるっと丸めたり、薄く広げて持っていけるのは便利です。僕もキャンプ用に買いました。ドリッパーって地味にかさばるのと、割れるのが不安なので、まさにこれを待っていた。
新しいドリッパーたち
デンマーク コペンハーゲンのロースター aprilがつくったドリッパーや、側面を伝って落ちるお湯を限りなく無くした素晴らしい抽出効率の円柱形 Tricolate、温度管理できる電子ケトルで有名なコーヒー器具メーカーFellowのドリッパーなど、新しいドリッパーも続々と出ていて、選択肢は尽きず楽しすぎますね。ドリッパー沼へようこそ。
スケール
コーヒーの抽出レシピでは、重さと時間が非常に大切です。もちろん体感で淹れるのもいいのですが、その日の気温によって温度は湯温は大きく変わってしまいます。例えば夏に常温のケトルに沸騰したてのお湯を移すと95度くらいなのが、冬に同じことをすると89度くらいになってしまったり。さらに、10秒注ぎが長くなるだけで味わいは大きく変わってしまうのがコーヒーの難しいところです。
だからこそこの感覚では掴みきれない温度と時間を、なるべく計測して淹れましょう、というのが僕たちコーヒー屋が一貫して言っているおすすめ、というか必須環境です。
スケールは電子スケールであればキッチンで使ってるものでOK。粉の重さは、15.0gと15.5gではかなり違うため、0.1g単位で測れたらベストですが、お湯の量を計る分には1g単位で十分です。まずはキッチンスケールとスマホのタイマー機能でお湯がかかる1滴目から目標の量を注ぎ終わるまでの「注ぎの時間」を測って、成分を出したい時は長く、雑味を減らしたりクリアにするなど抽出率を下げたい時は短く時間を調整してみましょう。「お湯が抜けきるまでの時間」まで測れると、注ぎは良かったが狙い通りにならなかった原因がより特定できます。例えば、挽き目が細かすぎた時や、注ぎの勢いが強すぎて粉が中で攪拌されて微粉がフィルターに詰まった時などは、落ちきるまでの時間が伸びるため、成分がより抽出される結果となります。
美味しかった時はその淹れ方の再現性を高めるため(いつも同じように美味しくできるようにするため)、そして美味しくなかった時はその原因を特定して改善できるようにするために、できる限り重さと時間を測って淹れましょう。興味がある方はドリップの再現性について紹介した動画を見てみてください。
ドリップ用にタイマー付きのスケールを使うと、道具が増えずお手軽に測れて楽なので、いくつかおすすめのタイマー付きドリップスケールを紹介します。
おすすめスケール1: HARIO
まずは、一番使ってる人も多そうな、HARIOさんの電子スケール。安定です。価格もお手軽。これがあれば間違い無いと思います。
同じHARIOさんのメタルスケールの方は、見た目格好いいのに加えて、計量の反応も早くて、より注ぎのコントロールがしやすいです。予算に余裕があればおすすめ。
おすすめスケール2: TIMEMORE
コスパの良いTIMEMOREのドリップスケールもおすすめ。僕は今家ではこれを使っています。個人的には白色や金属のスケールだと、光が反射してサーバーの中のコーヒーの色がきれいに見えて好きだけど、数字の表示は黒の方が見やすそう。
おすすめスケール3: acaia
そして反応も最強で、注ぎ始めたら自動計測といった機能も満載な、有名なacaiaスケールも素晴らしいスケールです。エスプレッソの抽出で使ったり、店舗のカウンター内にはめて使ったりするお店も多いですね。
手挽きミル
ミルは超大事。粉で買う場合はお店のグラインダーで挽いてくれるのでグラインドの性能は良いものの、風味が飛んでいくのも早く1週間くらいで飲みきらいところ。ミルがあると挽き目を調整して成分ので具合をより美味しく好みにコントロールできますし、常に挽きたてなので豆で保管できて日持ちもします。豆の保存なら、焙煎によるかもしれませんが、常温でも焙煎後1ヶ月は美味しく楽しめると思います。
手挽きのミルは、どれも臼のような構造で、2枚の刃の隙間の距離を近づけたり遠ざけたりすることで挽き目を調整して、刃の距離に応じたほぼ決まったサイズに挽くことができるので、基本的には刃の性能での違いとなってきます。
おすすめミル1: HARIO
安定のHARIOの手挽きミル。まずはこの値段からでOK!
シルバーのミルもかっこよくていいですね。
おすすめミル2: ポーレックス
鹿児島に本社を構えて、セラミック製品をつくっているポーレックスのミルも精密なセラミック刃でおすすめ。使っている人も多いのではないでしょうか。
おすすめミル3: TIMEMORE
刃の性能が良くてコスパがいいと定評のあるTIMEMOREのミルは、より挽き目を揃えたいと思う時におすすめです。
最強ミル: Comandante
最強の手挽きミルで言うとやっぱりコマンダンテ。ドイツ製のハンドメイドのミルで、微粉少なく、粒度も揃い、非常にスムーズで力もかからず、エスプレッソ挽きまで挽けてしまいます。
電動ミル
手挽きに疲れたらやっぱり電動ミルが欲しいですよね。電動ミル(グラインダー)は安くはないので、コーヒーを日々淹れていくぞという強い意志があったり、お金に余裕があればいきなり電動ミルを揃えてもいいのですが、まずは手挽きから始めて、家でコーヒーを淹れる習慣がついてきてから買った方が使い道としては間違いない感覚です。家で淹れる上では圧倒的に楽になるので、意志が固まったら早めに買うことをお勧めします。電動ミルがあれば家のコーヒーライフが一気に変わる!
ちなみに電動ミルで検索すると1万円以下のものも出てきますが、プロペラ式と言って、フードプロセッサーのようにプロペラのように回る刃が直接豆を砕くタイプのミルなので、刃が当たる豆と、当たらない場所にある豆とで、挽いた結果の粉のばらつきがとてもでてしまい、おすすめできません。プロペラ式の電動ミルより手挽きミルの方が圧倒的に粒度を揃えて挽けてしまうため、電動ミルを買う場合は、臼式の電動ミルが必須で、その場合下記にあげるタイプになっていきます。
おすすめ電動ミル1: Wilfa Svart Aroma
まずは安定は、北欧の家電メーカーWilfaが出している電動ミル。挽き目の17段階の細かい調整もでき、低速回転で熱の発生も抑え、ボックスに落ちるので粉も飛び散らないし、刃の性能も十分。他の電動ミルが軒並み3万円を超えていくのに比べて、この性能でこの価格は最強です。これ買っておけば間違いない電動ミル。在庫切れも多いので、買える時にゲットしてしまいましょう。僕も家でこれ使ってます。
おすすめ電動ミル2: Kalita ナイスカットミル
安定のKalitaのナイスカットミル。使ってる人も多い電動ミルだと思います。これもいいですよね。ちょっとレトロっぽいデザインもとても好きです。
おすすめ電動ミル3: Fellow Ode Brew Grinder
Fellowの電動ミルはさらに刃の性能が素晴らしく、31段階の挽き目調整、スタイリッシュなデザイン。アップグレードするならこの電動ミルは今アツいです!!
おすすめ電動ミル4: Varia VS3
2022年の年末に登場した、最新の電動ミル VS3。
とにかく挽き目の精度が素晴らしくて、そして音も静かで、スリムでかっこいいデザインで、僕は2023年から新しくこの電動ミルを使って淹れています。
Varia VS3を使ってみてのレビュー記事もぜひ。
サーバー
ドリップしたコーヒーを落とすサーバー。これは正直デザインと容量でしかないんですが、僕が好きなシンプルなサーバーを貼っておきます。個人的にはシンプルなガラスサーバーがコーヒーが落ちる様子も見やすくてテンションも上がるし、部屋に馴染むし、洗いやすくて好きです。
ケトル
ケトルも正直デザインと容量で決めるのがいいと思います。
口の細さが大事という意見も確かにあると思いますが、細すぎると逆に勢いよく注ぐことがしにくかったり。浅煎りのコーヒーを淹れる場合は比較的粉を混ぜるように勢いよく注ぐことも多いので、そう言った意味ではあまり口の形状にこだわりすぎずでもいいかもしれません。
コーヒーの抽出は90-95度くらいが一般的。100度だとネガティブな風味も出がちなので、調整するとしたら95度くらいで淹れられたらなんでもOK。取手の熱さが気にならなければ直火で、沸いたものを1-2分置いておけば温度は下がるし、ポットで沸かしたお湯を常温のケトルに移してもOK。狙った温度になったら保温してくれる最強のFellowのケトルも含めおすすめをいくつか貼っておきます。一番大事なのは、毎日手に触れるものなので、使ってテンション上がるかどうかですね!
他の抽出器具
最後に、ドリップ以外の抽出器具も紹介してみます。挙げればきりはないほどいろんな抽出器具が世界中から出ているので、定番なものを紹介します。
フレンチプレス
浸すだけのフレンチプレス。粉を16倍の重さのお湯に浸して4分待つだけ。淹れる技術関係なく、誰でも豆の美味しさを最大限引き出せます。ドリップに不安があればフレンチプレスで豆のポテンシャルを確認してみてください。初めて買った豆をまずフレンチプレスで個性確認して、そこから香りを活かすとか、甘さをより伸ばすとか、ドリップのレシピの参考にすることもできます。あって損はない一番安定の抽出器具です。
エアロプレス
手の圧力を加え、お湯に浸すだけでは出てこない香りや油分などのコーヒー成分を引き出す抽出器具。エアロプレスの大会もいつも盛り上がっていて、お手軽さと楽しさ、そしてレシピの追求性も含めてファンの多い器具ですね!僕のおすすめレシピは14gの粉に220gのお湯で1分後に攪拌してから30秒かけてプレス。
コーヒーメーカー
まず導入する方も多いと思います。ハンドドリップ以前に一番基本的な器具でしたね…。家でコーヒーを淹れたいと言う時は、淹れる時間も含めて楽しみたいと言うモチベーションも多いと思うので、あえて最後に紹介してみました。美味しいコーヒーを家で飲むという目的においてはコーヒーメーカーかフレンチプレスが楽で入門になると思います。フレンチプレスの方が抽出のブレもなくどの豆でも美味しくなるのでおすすめではあります。
コーヒーメーカーは基本的には、水を決まった速度で吸い上げ、熱して粉にかける装置。多い杯数を同時に作る=水の量が多いと、粉にかかり終えるまでの抽出時間が長くなるため、コーヒーメーカーの最大抽出量で作るよりも少なめ〜中間くらいの量で作る方が過抽出になりにくくすっきりクリアで味は安定しやすいはずです。
基本的に仕組みは同じなので、どのメーカーでも挽き目の調整で美味しくなると思います。ガチでやるなら、決めたラインまで入れた水の重さを測って、その重さ÷16の粉量にして、イガイガ感を感じる限り挽き目を粗くしていくと美味しくなると思います。
まとめ
ざっと、基本的な道具から、進化系の道具まで、たっぷり間違いない器具を紹介してみました。
結局道具は道具。一番大事なのはどんな豆を使うかです。
どんなに器具が優れていても、豆が持っている風味以上は出ないですし、そもそも好みに合わない焙煎具合、風味個性の豆だと、なかなか好みの美味しさにするのは難しいので、何よりも好みのロースターを見つけ、好みの風味の豆を買いましょう。
なんの豆がいいのかわからない時はぜひ気になるコーヒー屋を回って、好きだと感じたお店で何種類か飲み比べして、好きな方向性の味を確かめてみましょう。すっきり目、しっかり目が好き、個性あるのが好き、フルーティなのが好き、飲みやすいのがいい、と好みをバリスタに伝えてもきっとお勧めしてくれるはずです。
間違いない道具で、抽出への不安を無くし、豆を信頼して、あとは豆集めに全振りしましょう。
今こそ家で美味しいコーヒーを楽しみ尽くそう!!
川野優馬
淹れ方についてのこのnoteもあわせてぜひ
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