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【2020年の振り返り】中途採用の変化を採用企業と人材企業の観点で振り返る

私が人材業界へ飛び込んだのは2013年。7年間携わった中で、今年は最も変化の激しい年でした。下記は厚労省のデータですが、平成20年から令和元年まで右肩上がりの中、今年になって急落しているのが目に取れます。

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実際、中途採用においてどのような変化があったのか定性的に振り返ります。この記事では『採用企業』と『人材企業』の観点から振り返ります。

私自身、緊急事態宣言時においても月40社の採用企業様と打合せを実施したり、採用担当として採用活動も実施しました。双方の観点から主観多めで纏めたため、あくまでこの領域に関わる1人の意見として捉えてください。

※各業種・職種の定量的な変化はパーソルキャリア社のデータが参考になるため、この記事では触れません。記事も掲載させていただきます(私も毎月チェックしているサイトです)


1、採用企業

・業種によって採用ニーズが異なる。
昨年まではどの業種でも人材不足で採用ニーズが強かったが、コロナによる環境変化で業種ごとに差が生じる。例えば、サービス業では縮小傾向だがIT業では引き続き採用ニーズが強い傾向にあるなど。全ての業種が等しく下がった訳ではない。

・職種やレイヤーによって採用ニーズが異なる。
職種だとエンジニアや専門職、レイヤーだとハイキャリアを求める企業は相変わらず多い。しかしミドルキャリアのニーズは多少下がり、ポテンシャル(既卒・第二新卒)は激減する結果に。背景として『採用枠自体が少なく優先順位が下がる』『事業立て直しが急務』『育成の余裕がない』などが挙げられる。

・オンライン面接の導入が急増。
一部のベンチャーなど既に取り組んでいた企業は存在したが、今年では業種・規模問わずオンライン面接の導入が急増。今では一次面接からオンライン選考の選択肢がない方が珍しい。中には最終面接までオンラインのみで実施するケースも有り(ベンチャーだけでなく地方の中小・大企業含めて)

・採用コストに対する経費意識の強化。
あらゆる分野の経費意識が強まり、採用コストも例外では無い。今まで人材紹介のみで採用していた企業が、職種やレイヤーごとに採用コストの上限を設けた上で採用手段を選定する動きが広がっている。

・ダイレクトリクルーティングやSNS採用の加速。
優秀な人材採用と採用コスト削減の実現。そしてリモートワークとインターネットを通した採用手段の親和性高さが噛み合った事も挙げられる。例えば、ダイレクトリクルーティングによるスカウト活動やTwitter運用によるSNS採用など。

2、人材企業

・エンジニア派遣、SESにおける変化。
未経験のエンジニア案件含め、昨年までは売手市場。積極採用すればするほど、案件マッチング⇒売上拡大⇒利益拡大に繋がるビジネスモデルだった。

しかし上記記載の通り、ポテンシャル層の採用ニーズが激減したのは派遣市場も例外ではない。そのため未経験エンジニアの配属難が続いており、人材企業ごとに様々な打ち手が現在も実施されている。

・人材紹介(転職エージェント)における変化。
採用コスト削減により、職種やレイヤーごとに採用手段が選定される事になった。ミドルキャリアやポテンシャル層を、今まで同様にfee30~35%で採用支援する事が難しい構造へ。そのため対象領域の変革、サービス設計見直し、組織再編など様々な施策が実施されている。

そして、環境変化と多様な採用手段が入り混じる環境になった今ではエージェントの介在価値が強く求められる。

・採用サービス提供企業における変化。
求人広告やダイレクトリクルーティングサービス等を提供する企業でも戦略転換が目立つ。直面している課題は人材紹介と同様。

また、採用サービスはイニシャル課金のモデルが多く、採用コスト削減では大きなハードルの1つに。そのため緊急事態宣言前後では破格の値下げキャンペーンが飛び交い、価格競争が顕在化。一例として某大手が求人サービスを通常20万円(2か月)の所、8万円(2か月)で提供するなど大胆な施策が目立った。


内容について、以上になります。

今回は『採用企業』と『人材企業』にフォーカスを当てて振り返りました。2021年もまだまだ環境的には落ち着いていないため、更なる変化が見込まれます。

この変化が激しい時期に私自身、起業という意思決定をしました。決断を正解にできるよう、変化に負けず励んでいきます。

最後に、Twitterも運用しているので宜しければぜひフォローください(^^)

https://twitter.com/yuma_k_

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