マルタ島インターンを振り返って思ったこと
マルタ島での5週間のインターンが終わりました。
このインターンを通して自分が学んだこと、得たこと、学んだことをまとめようと思います。
①ペーペーとしての働き方
5週間前の私は観光産業について無知でした。同僚のカティアに「農学部出身です」と伝えたら「なんでここに来たの」と白い目で見られたのを思い出します。
それでもここで働かなくてはいけない。せっかく働くなら結果を残したい!そう思った私が意識したのは、「とにかく調べる」「とにかく聞く」ということでした。
しょうがないもん。何も知らないんだもん。
まずは観光産業の概要について。自社について。他社について。とにかく調べていました。
調べても分からないことは片っ端からカティアに聞くようにしていました。カティアはイライラしている日のほうが多くて怖かったのですが、しょうがない。だって、何も知らないんだから。
最終的には知識が蓄積されて質問の量が減っていくことが実感できてうれしかったです。新社会人になっても、尻込みせずに質問する姿勢を大切にしようと思います。
②理想の上司とは
このインターンを通じて、私にとって理想の上司に必要な条件が見つかりました。
それは、質問にちゃんと答えられる上司であることです。
この職場では、私の質問に対して求めている答えを得られないことが数多くあり苦労しました。例えば。
ここで諦めるわけにはいきません。だって、何も知らないから。
このツイートの回答が返ってきたときは、提携会社に直接電話をかけて答えを聞き出しました。
他にも、「聞きたい答えはそれじゃない」と上司の話を中断して質問しなおしたりしたときもありました。
ボスはさらにタチの悪い、「既読無視癖」のある人でした。(ボスはあまり出勤しないので)チャットで連絡を取るのですが、3つ一気に質問すると、最後の一個にしか答えてもらえないのです。
ここで私がとった対策は、とにかくホウレンソウすることでした。
ボスに報告・連絡・相談したうえで行動すれば、最終的な責任の所在は確実にボスです。私は言ったからね!?の気持ちで仕事をしていました。
ここで学んだことは以下のツイートの通りです。私は、相手の質問に「ちゃんと」答えられる上司になりたいなと思います。
③プロのかっこよさ
5週間、嫌なことばかりだったわけではありません。
この仕事を通じて、私は何かしらを極めた人はかっこいい、と再認識しました。
15年間ツアーオペレーターをしているカティア。10年間マルタ島のガイドをしているボイコ。二人とも、自分の専門分野に関しては何でも知っていました。
カティアはどのホテルがどこにあって、どの時期にどれくらいの価格で泊まれるのか。何年前にどこにどんな客が泊まったかなど。
ボイコはマルタ島の歴史、遺跡やレストラン、文化について。しかも彼はどんな国のお客様にも、その国とマルタに関わる豆知識を披露できるようなレパートリーを蓄えていました。
二人とも自分の仕事に対して誇りを持っていて、真剣に取り組み続けてきたことが伝わってきて、かっこいいなと思いました。
④理想の経営者とは
ボスの仕事ぶりからは、多くのことを考えさせられました。
今まで私は、「配下スタッフに口出しせずとも事業が回る状態が理想」だと信じてきました。
実際、この会社はそのような状態だったと思います。ボスは一日に1時間くらいしか顔を出しません。会社は残りのスタッフによって回っていました。
ですが、それで配下スタッフたちが満足して働けていたかというと、そうでは無かったように感じます。
私が来た日も「え、あなた誰?」からはじまりました。私が来ることが部下たちに共有されていなかったのです。
インターン中も、ボスの判断で全員のパスワードを変えることになった日がありました。次の日、誰もログインできないしネットにも通じないし、メールも受信できないし、と大変だったのですが、肝心のボスが不在なので我々で解決しなくてはいけませんでした。
私も、前述のように質問を無視されてしまったり、自分が提出した資料を批判されて不快な思いをした日がありました。ボスの言い方がきつかったことも理由の一部ですが、もっと大きな理由は「普段会社にいない人が何口出ししてるんだ」という気持ちだったのだと思う。
会社は経営者のものであって、私たちは所詮経営者の理想を実現するための手段です。だからこのときも、最終的にはボスの意見に従いました。
でも、経営者たるもの、社員は手段にすぎないと考えてぞんざいに扱ってはいけないんだなと思いました。
リモートで仕事ができることにはメリットも多いので、顔を合わせる頻度を増やすことが最適解というわけではないと思います。でも、経営者(マネージャー)たるもの、ホウレンソウを大事にするべきなのは部下と一緒であること、そしてメッセージの伝え方も意識するべきであるなと思いました。
⑤私にとっての理想の働き方が分かった
5週間働く中で、自分が理想とする就業環境の条件が明確になったように感じます。特に、ワークライフバランス、人、会社の場所、業務内容についてお話しようと思います。
まずワークライフバランスについて。
マルタでの生活は穏やかで、忙しさとはかけ離れていました。夜ご飯を食べ終わるとまだ7時台で、このあと何しよう、と悩むくらい、時間的ゆとりのある生活でした。
日本にいたころは、詰め詰めのタイトスケジュールで、「一日あたりの価値生産の最大化」ために必死に奔走していた気がします。マルタに来て、それらすべてから開放された私が感じたのは、虚無感でした。東京で大量の「タスク」に追われて毎日疾走しながら生きているような生活が性に合っているのだなと気づかされました。
だからこそマルタで自分のためだけの思索にふけった時間には価値があったと思えるのですが、今後の人生の大半は、都市の、あの喧騒に身をうずめていようと思いました。
次に人について。
②や④で書いた通りです。質問にはちゃんと答えてくれる上司、同僚に恵まれたい。つまりは、「優秀」だと思える人々と一緒に働きたい。
次は立地について。
結論、私は都会っ子だと思いました。夜は友達と街で鍋なり焼肉なり食べたいし、ランチはおしゃれな駅地下レストランでパスタや海鮮丼が食べたい!田舎の素朴な暮らしは、2週間で十分だと思いました笑
最後に仕事の内容について。
自分にどんな業務があっているのかって、全然検討もついていませんでした。今回インターンをして分かったのは、意外と、どんな仕事も楽しめる、ということです。
観光業界という未知の分野で、営業メールを送り続ける。文字面だけ見れば、農学部とはかけらも関係ないし、業務内容も単調で魅力度の低そうな業務だと思います。でも、何件契約を成立させるぞ!と目標を立てて行動したり、どうすれば返信率が上がるか、仮説を立てて行動したり。
私が好きなのは、目標を達成するために考えて実行すること(PDCAか笑)であって、これは幅広い分野の業務に応用できること。だから私の業務内容におけるストライクゾーンは広そう、ということを知ることができました!
⑥自分に自信がついた
未知の分野で、大した面倒も見てもらえず、環境としては厳しかったと思います。(言語も国も違いますね)
でもその中で行動し、目標を達成できたというのは私にとって大きな自信になりました。
些細なことですが、パソコンのショートカットもいくつか覚えられたし、エクセルスキルも上達したのは、うれしいことです。
新社会人になっても学び成長していくための下地が身につけられたような気がしています。
最後に
私がマルタ島に行こうと思った一番の理由は、「ヨーロッパに長期滞在したかったから」です。インターンを理由にヨーロッパに長期滞在して、週末に旅行を楽しむことが目的でした。
だから私にとってインターンの内容や充実度は、優先順位の低いものになる予定でした。
でも、このインターンですごした時間は、私にとってとても有意義なものになったように感じます。
自分の働き方や、仕事についての考え方を改めたり、整理するきっかけを持つことができました。
日本に帰って、一歩成長した自分を見てもらうのが、とても楽しみです!