【VUP:長く続ける為のお作法】1年経過したフレンドコミュニティはどうなったか?
はじめに
この記事は、仮想世界でのコミュニケーションを楽しむ”VRChat”をテーマにしています。以前にもフレンドコミュニティの作り方について取り上げましたが、今回はその続編として、1年の時間を経てさらに深く掘り下げてみたいと思います。
VRChatを始めたばかりの方から、長期間プレイしている方まで、多くの人が感じているかもしれない「なんとなく」の部分に焦点を当てます。前回の記事を読んでいない方も、この機会にぜひ一読して、より深い理解を得てください。
コミュニティの賞味期限は1年?
筆者はフレンドコミュニティが形成されてから約1年が一つの節目であると考えています。この賞味期限は、「同一のフレンドメンバーが一定期間在籍していること」を指し示しています。VRChatで1年間活動してみて、この期間を通じて多くのコミュニティが変化する様子を目の当たりにしました。
実情から考える
「〇年〇月VRC同期会」など、活動初期には団結が見られるコミュニティも、時間が経つにつれて停滞期に入ります。これは新しいメンバーが加わりにくくなることが原因で、主要メンバーだけが集まる場となりがちです。筆者も未だに同期会には参加していますが、同期だけで始まるコミュニティが多様性に乏しくなることは否めません。同月に始めたという共通点のみでは、異なる趣味や嗜好を持つ人たちが多く集まるため、他のコミュニティへの移行、いわゆる「巣立ち」が自然と発生します。
最初期の定着できるコミュニティとしては非常に優れていますが、新規参入がない市場は1年も経てば人数が多かったコミュニティもいずれ衰退を迎えるのはどこでも同じことなのかもしれません。
データから考える
以下は直近で取得したSteamのVRChatのアクセス人数と平均的なプレイヤー人数のチャートです。
出展元:https://steamdb.info/app/438100/charts/#3y
最新のデータによると、VRChatのアクセス人数は着実に増加していますが、平均プレイヤー数の伸びは緩やかに水平線です。これは一定層の新たなプレイヤーが入り、古いプレイヤーが去っていくという構造が続いていることを示しています。
繋がり方を考える
筆者が見てきた中で、「同一のフレンドメンバーが長期間在籍する」ということは、現実にはとても困難です。
コミュニティは常に変化していますので、人々の出入りは自然な流れで逆らうべきものではありません。
そのため、一つのコミュニティだけに依存せず、複数のコミュニティに参加することが重要です。
たとえ10人のコミュニティであっても、1~2人の入れ替わりは普通のことです。しかし、新しいメンバーが加わらない閉鎖的なコミュニティは、新鮮な活力が失われ、やがて活動が停滞してしまうことがあります。
そのため、新しいコミュニティを探索し、自分の足で歩くことが、健全なメタライフを維持するための戦略となります。
フレンドコミュニティを複数持つことは、仕事や家庭のようにある程度計画を立てられる環境とは異なり、人間関係が多くを占めるため、予測が難しいことが多いです。人々がコミュニティを離れるのは、しばしばあなたのせいではなく、避けられない事情によるものです。そのため、様々な楽しい場を持つことで、どのコミュニティにも依存しない多様な関係を築くことが、ストレスなく活動を続けるためのカギとなります。
一人での活動で平気だという方も、コミュニケーションを目的としないで探索の場としてコミュニティに参加することが有益です。
ですが、そんな方はなぜこの記事を読んでいるのか、自問自答することも大切です。
一人でいることに慣れていると思うかもしれませんが、「一人でも平気」と「一人が好き」は異なります。
寂しい時に寂しいと伝えられる友人がいることは、何物にも代えがたい価値がありますよ。自分の気持ちを押し殺すことに馴れてしまうと人的価値は非常に低くなります。
フレンドコミュニティの入り方・立ち上げ方
人間はなぜ絶えず他人と交流を求めるのでしょうか?この問いに確固たる答えはないかもしれませんが、生涯を通じて考え続ける価値のある問題です。今日は、そんな不変の探求心を背景に、フレンドコミュニティへの参加や新しいコミュニティの立ち上げ方について考えてみましょう。
存在することに意義のあるグループ「〇年〇月VRC同期会」
VRChatでは、「〇年〇月VRC同期会」という形式で、同じ時期にゲームを始めた人々が集まるコミュニティがあります。これは、特定の月や年に参加した人々が自然と結束しやすい特性を利用したもので、新しい参加者も古いメンバーも気軽に交流できる場所です。
コミュニティへの参加の容易さ
同期会コミュニティは、検索するだけで意外と簡単に見つけることができます。これは、X(旧Twitter)などのソーシャルメディアを通じて、関連するハッシュタグやキーワードを検索することで、対応する同期会の存在を確認できるためです。実際、多くの人が同期会の存在を後から知ったということもあります。
コミュニティの柔軟性
同期会コミュニティは非常に柔軟で、参加するハードルが低いのが特徴です。たとえば、写真を好む人々や無言勢が特有のパフォーマンスを通じて、ある程度知り合いを作ることができます。筆者自身、入会が遅れたにもかかわらず、1年以上経過しても活動的でない期間があったにも関わらず、依然としてコミュニティに所属しています。このように、数か月のブランクがあっても、「以前は〇〇で活動していた」という共有する話題があれば、コミュニティ内での反応を得やすくなります。
同期会は、VRChat内での友情や交流を深めるための素晴らしい出発点となります。このようなグループが提供する緩やかで開かれた空間は、新旧のメンバーにとって、交流の場として最適です。
X(旧Twitter)で同志を探す
VRChatの世界で進行中の自分の活動を見直す際、時には友人や同志が不足していることに気づくかもしれません。特に、Userランクに達したが、交流できるフレンドが少ない場合、SNSを利用するのが一つの解決策です。
キーワード検索の利用
SNSの検索ボックスに「アバター名 VRC」や関連する趣味を入力することで、同じ興味を持つ他のユーザーを見つけることができます。これにより、同じVRChatを楽しむ人々との接点が生まれる可能性が広がります。
積極的な交流の開始
コミュニケーションのハードルを低く始めることが重要です。いいねやフォロー、リプライを通じて、ソフトなアプローチで関係を築いていくことができます。これらの小さな交流が積み重なり、より深い繋がりへと発展することがあります。
時間をかけて関係を築く
VRChat上での友達を作る過程は時間がかかることがありますが、地道な努力が報われることも多いです。じっくりと時間をかけて信頼関係を築き上げることが、長期的な友情へと繋がります。
雑談・交流イベントに参加する
VRChatでは、イベントを通じてフレンドコミュニティに参加することが一番手軽な方法です。イベントは特定の目的を持って集まるものなので、その目的に興味を持っている限り、自然と交流のチャンスが生まれます。
目的意識を持つ
参加するイベントが持つ目的やテーマに沿った意識を持つことが重要です。これにより、同じ興味を共有する他の参加者との間で意味のある対話が生まれやすくなります。
繰り返し参加する
一度のイベント参加ではすぐに親密な関係が築けるわけではありません。著者も経験から、最初は会話が弾まないこともありますが、何度もイベントに足を運ぶことで徐々に他の参加者に認識され、交流が生まれるようになります。
初心者は焦らずに
初めてイベントに参加したときは、壁の隅でじっとしているだけでも大丈夫です。会話が苦手な方も、少しずつ参加して慣れていくことが大切です。主催者も繰り返し参加している人を認識しやすく、次第にコミュニティに溶け込むことができます。
イベントの効果
イベント参加は、新しい人々と出会い、VRChat内での友達を作る絶好の機会を提供します。また、定期的に参加することで、そのコミュニティの一員としての地位を築くことが可能になります。イベントは、特に新参者にとって、VRChat内のさまざまなコミュニティへの扉を開くキーとなるでしょう。
いっそのこと自分で立ち上げてみる
自分でフレンドコミュニティやイベントを立ち上げることは、確かにハードルが高いですが、自由度も非常に高く、個性的な活動ができる最も魅力的な方法の一つです。著者は2つ立ち上げているものがあります。
一つはコミュニティグループ「鏡文字怪文書部」
こちらは無言勢が嗜む鏡文字の練習会イベントで交流しなくとも、文字を練習していることが尊いものとして立ち上げています。
名前こそインパクトが強いですし、イベント活動はしておりませんが、グループバナーを掲げているだけで無言勢のコミュニティ内で話のネタになるくらいにはちょっと面白いコミュニティです。
一つは金曜隔週開催イベント「イケメン無言勢キャストBarSERENE」
こちらは無言勢と男性アバターをテーマにしたバー形式のイベントで、金曜の隔週に開催されています。このイベントは、ボイスチャットを使用する参加者と無言勢の両方が楽しめるように設計されており、参加者間の隔たりを感じさせない包括的な雰囲気が魅力です。
上記のように、コミュニティを立ち上げるというのも一つの楽しみ方です。
コミュニティやイベントを自ら立ち上げる際には、何よりも自分が楽しむことを優先することが大切です。始める際の楽しむ気持ちを維持し続けることが、長期的に成功するコミュニティを運営する鍵となります。また、コンセプトが徐々に変化する可能性があるため、元々の目的を時々思い出して、活動の方向性を再確認することも重要です。
このように自分で何かを始めることは、VRChat内で独自の場を作り出し、同じ興味を持つ人々との新しい繋がりを築く素晴らしい方法です。あなたがしたいことを形にして、他の人と共有する楽しみを見つけてください。
あなたは一人だけ
さて、ここまでフレンドコミュニティの期限、作り方を執筆してきましたが、本来何故フレンドコミュニティを持ちたいか、持ってどうするかを考えてみましょう。
VRSNSに来た理由は何だったか?
多くの人がVRSNS(メタバース)に足を踏み入れる理由は様々ですが、その多くが現実世界では経験できない何かを求めています。
新しい人々との出会い、異なる文化や環境への触れ合い、あるいは単純に新しい自分を表現する場所としてこの空間を利用しています。
個々の動機を理解することで、自分自身が何を求めているのか、どのようにしてそれを達成できるのかを探求する手助けとなります。
表現者である必要はあるのか
VRSNS内での表現は多くの形をとります。
アバター制作、ワールド制作、音楽(DJ)、イラスト、コミュニケーションといった形で自己を表現することは、自分自身を理解し、他者と共感を得る手段となり得ます。
しかし、必ずしも全員が表現者である必要はありません。
自分が心地良いと感じる方法で参加し、交流することが最も重要です。
表現は自己の内面を外に向けて示す行為であるため、その必要性は個人の価値観と目的によって異なります。
例えば著者はこのNoteを通して、新たに来たユーザーへ道筋を示すことや、一定期間プレイしているユーザーにも新たな知見を与えたいという考えのもと執筆しています。
これを音楽にすることや、コミュニケーションで人に提示することは著者は苦手としますので、自己表現の手段は自分で選びましょう。
何者にもなれなくても「いてもいい」
しかし、VRSNSのような空間は、特定の成果を出すことが求められる場ではありません。ここは、単に「存在する」こと自体が価値ある行為となり得る場所です。
自分が何者であるかを証明する必要はなく、ただ自分自身でいることが許されます。この自由は、社会的な役割や期待から一時的に解放され、自分自身と向き合う貴重な機会を提供します。
こうした環境は、自己受容と自己理解を深めるのに役立ち、人生の他の領域においてもポジティブな影響を与えることができます。
とは言え、自分というものを理解してほしいという気持ちはきっと存在することでしょう。
X(旧Twitter)もそうですが、そういった理解してほしい気持ちや、色んな冷たい言葉を受けたことでいわゆるお気持ちをしてしまう人たちや病んでしまう人たちが多いのも事実です。
そのため、自分の精神状態が悪い状態でする必要はありません。VRSNSとは個人の空間ではなく様々な人の思惑や傾向で形成されています。
無理をして何者かになるより自分を大切にした方が良いでしょう。そして、何者かになる前に、誰かが何者であるかを受容してあげてください。
あなたも、私も、きっと誰かの何かになりたいと思ってここにいるのですから、なれない自分を呪うより、明日見る誰かの支えになってあげてみてもいいのではないでしょうか。
おわりに
さて、ここまでの読了ありがとうございました。
1年前の記事から少しバージョンアップしてみました。
とは言え、この記事に書いていない良い人でいることなどは今でも思っていますし、行動していることですので前記事をまた読んでみてもいいかもしれません。
1年というのはあっという間に過ぎ行くものですが、こうして記事を見てみると相変わらず私の考えの骨子は何も変わっていないままだとも思います。
付き合う人が変わり、昔仲良かった人たちが別のコミュニティで仲良くしているのをX(旧Twitter)で見かけることもあります。
そんな人たちでも久々に会いに行くと暖かく迎え入れてくれるのもまたVRSNSの醍醐味なのかもしれません。
1年後、2年後と健全にVRChatで活動できるような環境作りを努力することもまた必要なのかもしれませんね。
それでは、またの記事でお会いしましょう。
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