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ぬいぐるみ
ぬいぐるみをぎゅっと抱きしめて横を向いて寝ます。もっと落ち着きたい時はうつ伏せです。夜明けが憂鬱な日は、(起きたらぬいぐるみが僕の代わりに1日過ごしてくれないかな)とちょっと思ったりしながら眠ります。くらやみのなかで腕の中の柔らかいサメと入れ替わった姿を想像します。僕は、小さくヒレをパタパタして用事に向かう彼を見送ります。でも、もし、そうなったら、昨日までぬいぐるみだった彼はちゃんと僕を抱きしめてくれるのでしょうか?いつ、なにかのエラーで"わたのいきもの"と"にくのいきもの"が入れ替わってしまっても可愛がって貰えるように、僕は毎晩ぬいぐるみを抱きしめているのでしょうか……?うーん、そんな見返りのことで頭がぎっしりな人間に育った覚えは無いのですが……。もっと、ふわふわした……。綿で、いっぱいの、ぬいぐるみ