軟骨ピアス(アウターコンク)拡張の記録

 はじめに。
 軟骨の拡張はまったくおすすめしません。軟骨が変形したり思ってもみない弊害が起きたりする可能性があります。また、一度開けた大きい穴はまず塞がらないそうです。
 自分の場合は幸運なことに上手くいったので参考記録として残しておきますが……
 基本的にはもう一回言いますがまったくおすすめしません。
 これを見て挑戦しようとか思う人もそうおらんでしょうが、なにかあっても責任は取れませんので悪しからず。
 と前置きはしておきますね。

※話の性質上痛い表現があります。あと拡張中の耳の写真があります。

4g(5mm)→2g(6mm)

 まずはダーマルパンチで開けた4gからスタート。
 本当は0gを開けたかったのだが、軟骨にスペースがなく4gが限界とピアッサーさんに言われて泣く泣く妥協したという経緯があり、その結果拡張という強硬手段に打って出ることになったのだった。
 開けてから7ヶ月後、ホールがほぼ完成したことを確認して拡張に挑戦。
 拡張に必要なものは拡張後のサイズのピアスと拡張器、滑りをよくするための軟膏。軟膏はリンデロンとワセリンを混ぜたものを使用。
 拡張器に軟骨をこれでもかというほど塗っていざ挿入。拡張器の太くなったところまではすんなりいったものの、そこからがちと大変だった……全然入っていかない……これが拡張するということか、やめといた方がよかったかな、と一瞬頭によぎったが、ここまで来てやめられるか! と意地で進める。呼吸を整えながらゆっくりゆっくり挿入。拡張器とピアスを両方押さえながら慎重に通したらわりとすんなりいった。
 掛かった時間は20分ほど。
 ピアスを着けてからは耳全体がじんじんして、普段は意識しない耳の存在をめちゃくちゃ感じた。耳、お前ここにいるんやな……とにかく痛みを感じるよりばくばく鳴る心臓の方が主張が激しく、着けていたスマートウォッチが「リラックスしますか? 深呼吸しましょう!」と通知を飛ばしてきた。
 軟骨を押し広げる痛み、本当に『軟骨を押し広げる痛み』としか形容できない……表現力が貧困……鼻の穴からスイカを産んだらこういう痛みになるんだろうか……とは言え痛みとしては思った以上ではなく、ロークを開けたときの方が痛かったような気さえする。
 拡張後の痛みはあっという間に引いてしまってなんだか拍子抜けするぐらい。血や体液も特に出ず、ピアスを開けたときと同じかそれ以下の痛みという感じ。しかし腫れる。耳ってこんな腫れることあるんだ、軟骨って骨なのに、と感心してしまうぐらい腫れる。
 しばらくは生理食塩水のスプレーとホットソークで念入りにケアした。そのおかげか、腫れも数日後にはすっかり引いて、無事に2gのホールが出来あがった。
 ともあれ最初の拡張は成功。ここから長い旅が始まるのだった……

2g→1g(7.5mm)

 前回の拡張から5ヶ月後、2gから1g(7.5mm)への拡張。
 普通やるなら2gから0gだけど、2gから0gは直径が2mm上がる分かなりキツいと聞いて一回1gを経由することに。1gは本来存在しないゲージ数なので、実際は7.5mmの拡張器とピアスということになる。
 軟膏は前回同様、リンデロンとワセリンを混ぜたものを使用。
 いやあ痛かった! 前回のような押し広げられる痛みに加え、裂けるようなぴりっとした痛みがずっと続く感じ。拡張器を押し込んでいくと、明らかに『ここから先は行ってはいけない』というポイントがあって、そこを越えるのが辛かった……休み休みやりつつ、休みすぎるとそのあとがまた痛いというスパイラル。かといってここでやめると、せっかく安定したホールに傷を付けるだけで終わってしまう。それも嫌で、何度も何度も呼吸を整えながら、少しずつ、進んでいるかも判らないようなペースで進めた。なんなら途中で嫌になりすぎてツイッター見てた。
 ひたすら格闘しているうちに、いける! と感じる瞬間があって、そこからはすうっと通った。たぶん拡張器のまっすぐになったとこだろうな。
 4gから2gにするときとだいぶ違った感じがした。時間も2倍ぐらい掛かった。40分以上あーだこーだ戦っていたことになる。拡張器の外径が7mmじゃなくて7.5mmだったのもあるのかもしれない。たかが0.5mm、されど0.5mmといった感じだ。7mmだったらまた違ったんだろうか。
 まあ終わっちゃえばこっちのもんなのである。
 開けた後の痛みも数日続いた。血や体液の類いは特に出ず。ケアも前回同様生理食塩水のスプレーとホットソークで。
 ピアスの部分というより何故か側頭部が痛かった。
 ピアス拡張中の写真、何故か撮っていた。ピンボケしているけどその方が生々しくなくていいかもしれない。

これが
こうなって
こう

1g→0g(8mm)

 最後の拡張は前回から8ヶ月経過後。
 ピアスのOリング(シリコン製のストッパー)を失くし、予備も無いので困り果てた結果、「ホールも安定してるしこのまま拡張しちゃえばいいのでは??」と思い立ってしまい、急遽拡張することと相成った。事前に拡張器と0gのピアスを買っておいてよかったね。
 さすがに3回目ともなると準備にも慣れてくる。さっさと軟膏を塗ってえいやっと挿入。相変わらず痛えなあ、ともはや他人事状態。慣れるんじゃないこんなことに。
 今回も、明らかに絶対ここで止まるポイントがあって、その先に進むのにかなり気合が必要だった。手ががたがた震えて、心が折れ掛けて、もう止めようかと少し戻して、でもそういうわけにもいかないので進める、の繰り返し。ここまできてやめるわけにはもういかんのだ、と思い切って、ぐい、と拡張器を進めると、さっきまでの格闘が嘘みたいに一線越えた感じもなく入っていった。そのままピアスを接続して拡張完了。体の芯に燠火のように震えが残っていて、患部が痛すぎていっそひんやりして感じたのを覚えている。相変わらず、腫れあがった耳に揺れる指先が冷えていて気持ちが良かった。
 今回もかなりキツい戦いだった。でも2gから1gのときのがしんどかったような気もする。実際、掛かった時間は25分ほどで、時間だけ見ても前回よりスムーズに出来たと言えそうだ。今回は0.5mmしか拡張していないことになるので、まあ当然かもしれない。
 その日の夜は痛くて眠りも浅め。ホールの周りがどくんどくん脈打って形がはっきり解るほどだった。
 しかし翌日には『触らなくても痛い』状態からは脱した。思ったより早かったな。何食わぬ顔でライブに行けるぐらいには回復していた。腫れも1週間後には落ち着いてきて、痒みだけがしばらく残った。
 ホールが完全に安定して、不安なくピアスを付け替えられるようになるまでには半年ぐらい。1年半たった今では全く問題なく付け外しができるようになっている。
 これで拡張の最終目標には到達。これにて終了!
 00gにすると『ピアスホールに煙草が入る!』という一発芸ができるようになるらしいが、さすがに自分の耳でやることじゃねえな……となっているので……

 最後に、拡張前と拡張後の耳を比べてみる。

拡張前 4g
拡張後 0g

 ついでに、今までに使ったピアスたちも並べてみる。

左から、4g、2g、1g(7.5mm)、0g

 見比べてみると歴然とした違いがありますね。

 よくもまあここまで……と自分でも思うが、結果には大満足している。4gと0gじゃあ着けられるピアスの種類が段違いなので……
 ここまで特になんの障害もなく、軟骨の変形等も特になく拡張を進めてこられたのはラッキーだったと言ってもいいんじゃないかな。

 酔狂の記録にお付き合いいただきありがとうございました。誰も真似するなよな!!!!


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