清算型遺贈と登記/遺言執行者を当事者とする登記の依頼が
最近、仕事で気になったことを一つ。
不動産の売買契約の売主に、当事者として「遺言執行者」が登場してきました。
ん!? 何かおかしいゾ??
何か変な書類を見かけると、ひと睨みで違和感を感じます。
年に数万件ほど、たくさんの登記に携わってきた身としての、長年培った「経験のカン」というやつですネ。
「売買契約に遺言執行者が登場してくるケースとしては清算型遺贈のパターンしかありえないはず。
しかし、清算型遺贈の場合は、確か遺言執行者ではなく法定相続人が当事者になるのでは?」と、記憶してる知識が一瞬で頭の中を通り抜けていきます。
「清算型遺贈」の具体的なイメージは、下記の図をご参照下さい。
つまり、我々としては、遺言執行者が登記に関わるケースとしては「包括遺贈」なり「特定遺贈」なり「遺贈」を登記原因とする所有権移転登記においてのみ、と勉強してきました。
よって、「清算型遺贈」の場合は、相続登記→売買による所有権移転登記となり、「遺贈」の登記が登場する余地がないため、売買契約書の売主として、当事者の記載が『亡○○○○相続人○○○○』でなく、『遺言執行者弁護士○○○○』となっていることに違和感を感じるわけです。
「15年以上の経験で、清算型遺贈に関わったのはほんの2件ほど。ましてや、当事者として遺言執行者が登場したのは初めて。もしかして、制度が変わり、遺言執行者の権限が増大したのか??」
気になったので、不動産に強いウチの顧問弁護士に聞いてみました。
遺言執行者の「職務権限」と「相続登記」のポイント
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