現代建築の宝庫 ロッテルダム
オランダ冬旅 ロッテルダム建築散歩編
ロッテルダムを今回のベルギー旅行に加えたのは、面白い現代建築にあふれる街だったのが一番の決め手だった。散歩しているだけで色んな建物が目に入ってきた。その中で特にユニークだった有名TOP3を中心に振り返り。
キューブハウス(Kubuswoningen)
1984年完成なので現代建築の括りに入ると思っていたが、近代建築と紹介されているのを間々見かける。「いま」に繋がりが薄い(現在完了形ではなく過去形みたいな感覚?)、という意味で近代建築なのだろうか。よく分からない。
遠目からでも目を惹くフレンドリーな色と形。それぞれの箱が一軒の家になっている。まだ住んでいる人もいるようだが、店舗になっていたりホステルになっていたりもする。各ブロックに囲まれたスペースは、半屋外の共有エリアの役割を持つようだ。
キューブハウスの中が見られるミュージアムがあり、なんと3ユーロで入れた!(2024年1月時点)
隣のブラークタワーや、写真には映っていないがさらに隣のロッテルダム図書館も内部見学ができるそう。時間があれば行きたかった…
階段は急狭で上りづらかったが、意外にもうまく各部屋のスペースを確保できていた。でもオランダ人は標準的に背丈も体付きも大きいのに、サイズ感は大丈夫だったのだろうか。
設計はオランダ人建築家のパイエット・ブロム(Piet Blom)。ミュージアムの詳細は↓
デポ・ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン
透明人間のカラクリと同じ感じがした。
周囲に溶け込み存在感を抑えているにもかかわらず、そこにいる。空であり森であり。映し返す景色は現実っぽさが少し薄くて、いつまででも見ていられる。
どこが正面か、どこが入口か、それも分からない。
不思議な建物。
この建物はボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館の大規模改修に伴い収蔵庫として建てられた。しかも、収蔵庫でありながらそのまま全コレクションを見せるというコンセプト。凄い…
なぜか私、情報を読み間違えて、デポの方が閉まっていると勘違い。今回の訪問では外から見学しただけで中に入らなかった。心残り。これは近々再訪するしかない。ブリュッセルがなかなか良いストップオーバー候補地に躍り出たので、絶対行こうと心に決める。
建築情報
設計:MVRDV
オランダ・ロッテルダムを拠点とする建築家集団
2020年竣工
表参道のGYREの設計を手がけていたと知る。
※表参道GYRE:CHANELが1階路面に入る、お洒落なカフェや店舗のはいる商業施設。設計は「MVRDV+竹中工務店」
MVRDV設立メンバー3名のうち2名はレム・コールハース主宰の事務所出身。
情報がつながると楽しい。
マルクトハル(Markthal)
不思議な形状、重たくない、宇宙的。
ユニークな現代建築にあふれる街にあって、なお目立つ。でも背が低いことが、横に広がる広場と近しい関係を成立させているように見える。
観光客にとってはお洒落なフードコート。でも、多数の生鮮食品店などを併設したアパートなのだ。内側壁面はとてもカラフルで可愛い。ところどころにある窓は住居のもの。室内からの風景が、ミニチュアの人々が行き交うマーケット。人間観察好きの人は日長楽しめそう。マーケット内からも夜は一層華やかな内壁が見えて、いるだけで楽しい。
建築情報
設計:MVRDV
オランダ・ロッテルダムを拠点とする建築家集団
2014年完成
クンストハル美術館(ロッテルダム芸術ホール)
訪問時に開催されていた特別展についても含め、こちらの記事に↓
街歩きで見た建物たち
ロッテルダムの街は四角いブロックの印象だ。くまなく歩けばもっと沢山の建築に出会えるだろうが、それはまた次回に。
The Red Apple(2009年)
設計:KCAP and Jan des Bouvrie
KCAPはオランダ出身の建築家Kees Christiaanseが1989年に設立した事務所。それ以前はレム・コールハースの事務所OMAにいた。
遠目に見えるエラスムス橋(中央左)とザ・ロッテルダム(中央の3棟)
⚫︎エラスムス橋
設計:UNスタジオ(ベン・ファン・ベルケル/カロリン・ボス)、1996年
⚫︎ザ・ロッテルダム(De Rotterdam) 通称「積み木」
設計:レム・コールハウス、2013年
ロッテルダム中央駅(2014年)
設計:Team CS(Benthem Crouwel Architects、MVSA Architects、West 8による共同設計)
正面の女性像は、イギリス人彫刻家Thomas J Priceによるもので、高さ4m近くある。「Moments Contained 」(2022)
マルクトハル手前のビルはどれもユニーク
オランダらしい街並みも共存