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次女・次男の悩み

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医の湯浅正太です。

差し入れをしてくれたリスナーの方、どうもありがとうございます。これを励みに、引き続き頑張りたいと思います。

今日は、次女・次男の悩み、というテーマで短くお話ししたいと思います。

先日こんなコメントをいただきました。

「私は3人姉妹の次女で、姉がいるんですけど、姉は要領がよくなくて勉強が苦手です。私は次女で、姉に比べると要領もよく、成績もよかったです。両親など他の人は姉のことばかり考えています。三女はまだ幼く可愛がられています。次女の私はどうでもいいと思われているのか不安です。」

メッセージを送ってくれて、どうもありがとうございます。実はメッセージの一部の文章は省略して紹介させていただきました。その内容から、このリスナーさんは未成年さんのようなのですね。

メッセージをくれたリスナーさんに、まずお伝えしたいことは、「親御さんは、あなたのことをどうでもいいとは思っていない」ということです。忘れないうちに、肝心なことは伝えておきたいと思います。

そのうえで、出生順序と心のカラクリを考えていきたいと思います。

このメッセージを聴いた他のリスナーさん、特にもう既に親となっているリスナーさんはびっくりしたかもしれません。「どうでもいいと思われているのか不安」なんてそんな気持ちを抱くのか、そんな風に思った方も多いかもしれません。

でも、次女あるいは次男の立場の子どもたちが、「どうでもいいと思われているのか不安」あるいは「もっと自分を見てほしい」という気持ちを抱くという傾向は、決して珍しいわけではないのですね。

以前もお話をさせていただいたかもしれませんが、一番目に生まれてきた子ども、2番目に生まれてきた子ども、そして3番目に生まれてきた子ども、その出生順序によって育つ心にはある程度似た特徴があるものです。

1番目の子どもは、親御さんにとって初めての子どもです。ですから、何もかもが初めての育児の中で育ちます。親の愛を独り占めにできるというメリットがある一方で、初めての育児から不安が当たり前の環境で育ちます。

愛を一身に受け温かい心が育つ一方で、やや不器用な子育てで不安げな表情を浮かべる親御さんをみながら育つことで、その子どもにもやはりどこか不器用で不安も共存する心が育つものです。

2番目の子どもは、長女・長男の子育てを経験した後の親御さんに育てられるため、ある程度自信のある、器用な子育ての中で育てられます。ただ、まだ手のかかる姉・兄がそばにいながらの育児のため、2番目の子どもだけに集中して育児をすることはできません。

そんな環境の中で、2番目の子どもには「親に自分を見てもらいたい!」という心が育ちます。「姉・兄よりも自分を見てもらいたい」、そんな気持ちを抱きながら、器用に利口に物事をこなして頑張る。

その様子は親御さんにとっても誇らしいものです。ただ、親御さんは平等に子どもたちを評価したいという思いが働くあまり、2番目の子どもの努力への賞賛を控えてしまうことがあります。

すると、「これだけ頑張っても、まだ褒めてくれないのか」「これでもか」「これでもか」、そうやって自分の努力に見合った評価を求めながら進んでいく。2番目の子どもの中には、そういった経験をする方が少なくありません。

3番目の子どもは、親御さんにとって、お姉ちゃん・お兄ちゃんたちの成長とともに、あらためて幼さの尊さに気づく機会となります。幼い頃の無知の愛おしさを再認識しながら、3番目の子どもの子育てを楽しみます。

また、3番目の子どもは、親御さん以外にも、お姉ちゃん・お兄ちゃんたちからもちやほやされやすい立ち位置にいるため、「みんなから愛されている」かのような存在で育つものです。それが3番目の子どもの経験する育ちです。

今回コメントをくれたリスナーさんは、ご家庭に2番目に生まれてきてくれたお子さんという立場です。そんなリスナーさんに知っていただきたいのは、「今現在のあなたの努力は、将来誰もが羨む才能に変わる」ということです。

ちょっと長くなったので、この続きは次回の放送であらためてお話したいと思います。

次女さん、次男さん、
あなたたちの努力、僕にはわかります。

だいじょうぶ、
みんな、あなたを見ています。

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