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書き出すポイントは

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。

今日は「書き出すポイントは」というテーマで短くお話ししたいと思います。

僕が子どもの頃、夏休みになると、必ず宿題に作文がありました。今ちょうど夏休みの真っ只中だと思いますが、宿題で作文を書いている子どもたちが多いんじゃないでしょうか。あなたは、そんな作文をすぐに書き始められる子どもでしたか?どうでしょう?

小児科で発達外来をしていると、「この子はなかなか作文を書き始められないんです」とか、「なんて書き始めるかを、1週間も2週間もずーっと考えているんです」なんて教えてくれる親御さんが珍しくありません。

そうなんです。書き出しって、子どもにとって大きな山場なんです。「何でもいいから、書いてみればいいんじゃない」は通用しないんです。

でも、最初はそれでいいんです。大切なのは、周りがどうその子を導いてあげるかってことです。

なかなか作文を書き出せない子どもに対して、あなたならどう接しますか?もしも解決策が浮かばない場合には、あなたが文章を書き始めあげて、それを子どもに見せてあげてください。最初は真似でもいいですから、文章を真似させてあげてください。

「それじゃ、子どもの力が育たない」なんて指摘する方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。ちゃんと書く力は育ちます。

例えば、僕たちが文章を書く時、頭の中には定型分が記憶されているものです。その記憶されている文章の型を土台に、新しい文章を書いています。こんなフレーズの次には、こんなフレーズが来る。書き出しは、こんなパターンがある。そんな決まった型があるものです。

文章の校正、つまり、文章を修正する時もそうですね。文章を読んでいくと、頭の中に記憶された文章のリズムとは異なる箇所があるものです。「何だか読みにくいなあ」なんて感じる箇所がある。その箇所を見てみると、用語やことわざの使い方に誤りがあったりするものです。そうやって、自分の文章の型に照らし合わせて文章を読む。そんなことをしているものです。

子どもたちは、これから色々な文章に出会うんです。最初から洗練された文章を書く必要はありません。大切なのは、ある程度まとまった文章の形を覚えておくことです。そうやって文章の型を覚える過程で理解するのが、接続詞の使い方です。

接続詞の使い方のパターンがわかってくると、読書が断然楽になります。なぜなら、接続詞をみれば、筆者が書きたいことがどこにあるのかがわかるようになるからです。そして、その話の要約ができるようになるものです。

今日は「書き出すポイントは」というテーマでお話ししました。

だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。

湯浅正太
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて:https://yukurite.jp/)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。

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