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小児科医が解説する漢方薬

こんばんは。絵本「みんなとおなじくできないよ」や「ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ」の作者で、小児科医のしょーたです。

今日は「小児科医が解説する漢方薬」というテーマで短くお話ししたいと思います。

あなたは、漢方薬を飲んだことはありますか?ドラッグストアにも売っていますよね。僕が子どもの頃はとても苦くて飲みづらかったですが、今は少し飲みやすくなっているように思います。それでも、粉だとちょっと苦いことが多いので、錠剤があれば錠剤を試すことが多いかもしれません。

そんな漢方薬は、自然界に存在する植物だったり鉱物などを生薬(しょうやく)として、いくつも組み合わせて作られた薬です。この生薬って、何のことでしょうか?

生薬というのは、植物や鉱物、あるいは生き物の構成成分で薬効があるとされるところを加工したものです。そうやって加工された2種類以上の生薬を決まった量で組み合わせた薬が、漢方薬ということです。どんな生薬の組み合わせだと、どんな効果があるのか。そんな古くからの経験をもとに、漢方薬として提供されるようになりました。

ドラッグストアでも購入できますが、もちろん病院でも処方されますよね。病院で処方される漢方薬の多くは、健康保険が適用されます。国が「医療用漢方製剤」として認めているということですね。

僕も、症状が軽いうちは漢方薬でもいいだろうと思っています。実際に自分でも服用することがあります。例えば、風邪症状の患者さんには葛根湯(カッコントウ)や麻黄湯(マオウトウ)を処方することもありますし、胃腸炎の症状があれば五苓散(ゴレイサン)を処方することもあります。最近は夏で暑くなってきましたが、夏バテのような症状があれば清暑益気湯(セイショエッキトウ)もいいだろうと思います。

病院を受診することが大変だなと思う方も多いと思います。受診のために順番待ちをすることがほとんどですよね。漢方薬はドラッグストアにも売っているので、この漢方薬の使い方をある程度知っていると、病院受診の回数を減らすことだってできるものです。

漢方薬による治療は民間療法とは違います。国が認めている薬が多くあるので、服用量や服用回数などをしっかり守れば安心して利用できる薬と言えます。機会があれば試してみてください。

今日は「小児科医が解説する漢方薬」というテーマでお話ししました。

だいじょうぶ。
まあ、なんとかなりますよ。

湯浅正太
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医。一般社団法人Yukuri-te(ゆくりて:https://yukurite.jp/)代表理事。イーズファミリークリニック本八幡 院長。作家。著書に『みんなとおなじくできないよ』(日本図書センター)、『ものがたりで考える 医師のためのリベラルアーツ』(メジカルビュー社)がある。

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