可変性をデザインする
大きなホールやホテルのロビーに、大理石の広いカウンターがあって、大きな造花の花を飾っているのをよく見かけます。
少し篭った位置にあるので、昔は公衆電話が置いてあったところなのだろう、と推察します。
電話は各個人が持ち歩くようになり、街に公衆電話はほとんど見かけなくなりました。
特にここ数年はコロナの影響、地球温暖化、急激な建築資材の物価上昇、などで社会の目覚ましい変化を感じます。
生活様式が変わることで、住まいの形もずいぶん変わりました。
メディアはスマホで見るため、テレビが不要に。
オンラインショッピングをして購入したものを非対面で受け取れる宅配ボックスを設置。
家で落ち着いて仕事が出来るスペースを求められることも増えました。
住宅設計者は、家と共に家族が歳を重ねて暮らし方や家族構成が変わることもある程度想定して間取りを考えます。
これに加えて社会の変化も想像して設計することの難しさに直面しています。
しかし変化の目まぐるしい世の中だからこそ、普遍的なものの大切さが浮き彫りになっている側面もあると感じます。
私たち住宅設計者は、今こそ「本当に暮らしに大切なこと」とは何なのか考え直す時に来ていると思うのです。
※「僕のウルトラマンを並べるところが欲しい」幼稚園児の息子くんからの依頼で手すり壁に作ったニッチ棚。
将来は文庫本を入れられるサイズで作ってあります。
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