#14 涙の心の内
3月10日の待ち合わせに向けて
出会ってから、ひと月を数える頃
彼女のDMは毎日熱を帯びていた。
ひと画面に収まらず、スライドして全部読み切れるという、今思えばこの頃が一番がどっぷりと二人の世界に浸っていたのかもしれない。
人気のご主人様?
彼女は歳の差を気にしない人だったから、大人という表現を使っていたが、自分より一回りする様な人たちで満足してきたことがなかった。
そのためか、僕と彼女の主従関係は互いに心地良く、適温なものとなっていった。
弱ってる時の姿
この日のDMは、いつものように会うことを楽しみにしている様子だったのだが、、、
間に彼女のメンタルを崩す出来事があり、彼女は弱っていた。
かなり繊細で、良く泣く子だったのだが、この日は待ち合わせ前から弱々しくなってしまっていた。
だから、癒してあげることを考えて待ち合わせした。
そして、甘い甘い時間にして、ハグの時間を増やして会話の時間を多めにした。
彼女の身体はもちろん、心を満たすことに注力した夜は、彼女の涙と共に弱さはこぼれ落ちて、充実した心となり、別れを惜しむように解散した。
初綾瀬だったが、この街は彼女と何度か訪れた街であり思い出の街になった。
3月10日が過ぎると季節は春の訪れを感じさせていた。
第十五話へ
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