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近年、様々な経済メディアでバッテリー式電気自動車 (BEV)が取りあげられています。確かに日本の自動車会社もBEVの競争に勝たなければなりません。BEVは、費用対効果つまり投資利益率ROI (Return On Investment) = 利益 / 投資額✕100が高いです。時価総額はギガキャストで製造するテスラがかんばん方式 (後行程での部品を前工程の内から発注する。)で製造するトヨタ自動車を上回り、BYD (Build Your Dreams) が自動車業界でトヨタ自動車に続く第3位の地位となり期待度が伺えます。

ちなみに、テスラのデザインはマツダの元デザイナーによるもの。
BYDのデザインの責任者はアウディやアルファロメオのデザイナー。

しかし、環境問題を考えた際に必ずしもBEVが良いとは限りません。トヨタ自動車会長である豊田章男さんは、「敵は炭素」とおっしゃるようにカーボンニュートラルあるいはカーボンオフセットを考えた際に必ずしもBEVである必要がありません。他の自動車の選択肢をあげるとすればハイブリッド自動車 (HEV)、プラグインハイブリッド自動車 (PHEV)、燃料電池自動車 (FCEV)、合成燃料 (e-fuel)である水素エンジン車やメタネーション(工場などで排出される二酸化炭素と再生可能エネルギー由来の水素)、家畜から排出されるバイオメタンがあげられます。

BEVは、走行する際に二酸化炭素を排出しませんが製造や電気を生み出す際に二酸化炭素が排出されます。更に大量にレアメタルである元素番号3のリチウムを使用します。そして中国では大量のBEV墓場があります。本質的には環境に良くないです。
HEVの方が鉛蓄電池とニッケル水素電池の組み合わせでリチウムの使用料が少なくて全体として環境に良いのではないでしょうか。

これは、米国と中国、ヨーロッパ (EU)の国策が絡んでいます。長年日本が特異としてきたガソリン車の雇用をゲームチェンジをすることで取り返そうとしています。

米国は、2009年大統領だった民主党所属パラグ・オバマさんがBEVを推し進めました。一時期、映画Back to the futureのモデルとなった共和党所属ドナルド・トランプさんで止まりましたが同じく民主党所属ジョー・バイデンさんが再び舵をきりました。かつて、テスラスーパーチャージャーとGMやフォードが採用したフォルクス・ワーゲン (VW)グループ (VW、アウディ、ポルシェ)の規格が対決しましたがテスラが勝ちました。テスラの方が充電が速いため。米国としては補助金でテスラなどのスーパーチャージャー規格のBEV販売台数を押し上げようとしています。GMはスーパーチャージャーを採用して負けじと現在、日本のホンダや韓国のヒョンデなどと共に独自規格に取り組んでいます。一方、フォードは完全にスーパーチャージャーに切り替えました。

中国は、国策でトヨタ自動車の青色に対抗するかのようにBEVに補助金を出して緑ナンバーを付与しています。更に自国では、中国で製造した電池を搭載したBEVしか走行してはいけないという独自ルールを作成しています。自前の電池である安価で安全なリン酸型リチウムイオン蓄電池 (LFP)「ブレード・バッテリー」を使用したBYDなどが台頭しています。昨年、BYDはHEVを除く電動車であるPHEVとBEVでテスラを超す販売台数を記録しています。ちなみにBYDは、1995年設立でかつてスマホ用の蓄電池の製造を行っていました。採用のスマホには、BATHの一つであるファーウェイがあげられます。

EUは、2030年以降BEVかメタネーションしか走行不可と規格作りに取り組んでいます。ちなみにスマホなどに採用されているUSB Type-C 統一法もEUによるものです。

一方、日本はBEVに対して電解質を固体にした全固体電池で挑もうとしています。しかし、先に他国にルール作りをされてしまい高価な全固体電池が入る余地がありません。トヨタ自動車はHEVやFCEVかつ水素エンジン自動車に強いですがガラパゴス化が進んでいます。

いずれ、電力の需給バランスを考えるとゼロ・エミッション車であるFCEVなどで水素を活用したスマート社会になることが予想されますがBEVの競争に勝たねば次が続きません。

けど、次も見据えて動く必要があります。水素は、商用車や家庭用給湯器などで活用。水素はBEVに比べて長距離に適している。長年の水素技術を活用したメタネーションへの挑戦。全固体電池の自動車以外での活用の模索。日本のBYDの商用車部門の買収に向けたトヨタ自動車の大幅なリストラかつワンカンパニー複数ブランド制への再編。例えば、会社としてトヨタ自動車を掲げて、他はブランドとして商用車BEVのBYD、商用車FCEVの日野自動車と三菱ふそうとダイムラー連合、軽自動車のスズキ、中東やインド向けのダイハツ、テスラに対抗して安価で製造して高価で売るBEVスポーツカーのマツダ、航空機のスバル、そしてメインブランドとして大衆車のトヨタ。

ちなみに私は、アウディ推しです。価格がテスラに近くてデザインがベンツやBMWに比べて洗練されていてメタネーションも持っている。アウディがスーパーチャージャー対応にならないかなと思っています。
テスラを応援してアウディが良いと思っている。

↓全然ニュースを確認していない人向け

テスラはファミリーマートで充電できます。

BYDはオートバックスで購入できます。

「店舗が開設される」というのはナンセンスです。

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