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konton57
②優花/雷雨が不安になるとき
今日は、綺麗な朝日を見ました。
空気が澄んでいるとはとても言い難いけれど、
それでももやのかかった山並みは美しかった。
昨日から、心が弱っている。
本当はずっと前から、だけど昨日は心が割れてしまった。
ガラスの心臓なんかじゃないのに、粉々なのはガラス片だった。
雨が線を描き出して、雷が近づいてくるたびに
子供の頃の"捏造された"思い出が蘇る。
そんな事実、どこにもないのに。
そんなこと、すっかり忘れたはずなのに。
友人にすがるように連絡する挨拶。
普段どおりに返ってくれば、少し呼吸が楽になる。
どこか期待して、どこか恐れているのを見透かしたみたい。
「連絡くれて嬉しいよ」
まだ、この人はそばにいてくれるはずだ。
雨が降っても、雷が轟いても、まだひとりきりじゃないからね。
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