太宰治"I can speak", "かすかな声"[600]
特に考えなしに「本に触れたいなあ。朗読でもしたいなあ。」なんて思いが起こって、パソコンを開いて、「青空文庫」と入力して、
さて、「太宰治」にしよう。
一番上の「I can speak」をウェブで開いた。
ああ。こんな日に音読するのは向いている。
滑らかな場面転換も、現実と空虚の隙間も、語りかけるような独り言も、
描写の偏りがいいんだ。なんだかハマってしまうのだ。
『あの夜の女工さんは、あのいい声のひとであるか、どうかは、
それは、知らない。ちがうだろうね。』
締め。如何にも。
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5分で読めます。
甲府で小説を執筆中の太宰と、
綺麗な歌を聞かせる女と、夜学に通う酔っ払い。
I can speak / 太宰治 (初版:「若草」1939年2月号)
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おまけ:
もう一作くらい読んで、眠りにつくか。なんて思って
またタイトルにちょっと惹かれて
同じ作者の「かすかな声」を読んでみた。
こちらもすごく短い。
なんと初出は「帝国大学新聞 第八百三十三号 (1940年11月25日発行)」。
二年開かずしての書き物なので当然か?
ー"わびしさを堪える事"
誰の本でも、好きなんだ。
なんでも好きなんだ。
でも、彼の短い文章の
導入、本編、おわりの
筋の通った蛇行が本当は好きです。
鼻で笑ったり、胸を突いたり、
ぐるぐると忙しい人だと思います。
ときどき、読みたくなる
時代がちがってよかった、なんて思う人です。
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「かすかな声」は、こちらから。
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