キャラクター作りから!1ヶ月弱で企業LINEスタンプを内製するまでの話
突然ですが…この度「ゆこゆこ公式LINE」の友だち限定プレゼントとなる企業LINEスタンプを無料配布いたします!🎉
今回は、ゆこゆこWebマーケグループ内で事前調査〜制作までを内製し、noteの案内役でもあるY.K.が制作を担当させていただきました。
ドタバタがありつつも 短期間でなんとか申請まで無事に漕ぎ着けた制作の裏側、スタンプに込めた想いなど制作過程を中心に詳しくご紹介したいと思います。
これからスタンプを制作される方々の参考になれれば幸いです🙇
前提 / 担当者Y.K.のイラスト制作スキル
Illustrator(グラフィックデザインツール)の使用歴は長いが、パスでのイラスト描画は壊滅的。
個人的にLINEスタンプの販売経験はあるが、画風不適切のため封印。
手描きも癖が出すぎていい感じのイラストは描けない。
イラスト担当である私(Y.K.)は上記の理由から上記の理由から、得意分野とは言えないミッションであることは自覚していたのでたくさんの方に使ってもらえるようなスタンプが本当に自分に作れるのか?という不安を強く感じながらのスタートとなりました。
目的・ターゲットを確認
企業LINEスタンプの目的は、ゆこゆこを使っていただいている方やこれから使う方達に"LINEの友だちになってもらう"こと!
そして、LINE ID連携を通じてより細かなセグメントで、ニーズに合った情報を配信できるようにすることです。
お友だちになっていただく経路と狙いは、主にこの2つ。
・「宿泊情報誌ゆこゆこ」でスタンプの告知とともにLINE ID連携のメリットを提示し、新規友だちの獲得・LINE ID連携数の増加を目指す。
・「ゆこゆこネット」サイト上やメルマガ・SNSでスタンプ告知を行い、既存会員を友だち化するねらい。
無料配布とはいえ、友だちになってもらうためには、まず 友だちになりたくなる=使いたくなるスタンプであることが何より大事!
"魅力的なキャラクター"と"汎用性のあるテキスト"は必須だという結論になりました。
キャラクター作り
通常のクリエイターズスタンプの審査は一度ですが、企業スタンプには何度も審査が発生します。
最初に待ち受けるのが「キャラクター可否審査」です。この段階で「キャラクターの全体像」「表情の変化がわかる資料」「キャラクター名」が必要になります。
つまり、実質的にはこの時点で 1からキャラクターを作り さらに今後の審査にも耐えうるかの検証まで終わっている必要がありました。そのため、下記の1~4の流れでキャラクターを決めていきました。
1. ニーズの調査
キャラクターを作るにあたり、まずはどういうテイストで進めるのかを決めるため調査から開始。
ゆこゆこのメインユーザー層であるシニア世代にはどのようなスタンプが人気なのか、加えて他の企業がどのような無料スタンプを配布しているのかも確認しました。
シニアの方に人気のスタンプは どちらかというとテキストがメインで文字がはっきりと大きくて読みやすいのが印象的でした。
イラストはシンプルでも、背景がカラフルに装飾されているものが多く季節感のある内容も人気だということで、絵手紙的なイメージで使われている方も多いのではないかと感じました。
また、若年層の方には無表情のスタンプも人気のようですが、表情は分かりやすく優しげなものが好まれそうであることなどがわかりました。
2. "ゆこゆこらしい"モチーフとは?
"ゆこゆこのキャラクター" "ゆこゆこのLINEスタンプ”を名乗る以上「温泉」や「旅」と全く関係のないモチーフは避けなければいけません。
まずは、温泉のイメージがある動物「サル」「カピバラ」…… あまりいませんでした。実際には浸かってなさそうですが 「柴犬」なども良い感じになりそうですね。
次は無機物でキャラクターにできそうなモチーフです。「温泉卵」「湯桶」…… こちらも、あまり思い浮かびません💦
LINEの担当者の方からも"2頭身"や"丸っこい"など人気のキャラクターの特徴をアドバイスいただいたこと、他社と被らないモチーフ、形状のシンプルさ、表現力の限界なども鑑みて「温泉卵」が有力ではないかと思いました。
今回は時間もなく、ラフ・テキスト等の大枠をほぼ検討し終わった段階でレビューをすることになっていたので、一旦振り切って アイデアや検討事項を出し切ります。
※ 結局そのまま採用になりました!
これまでに出たモチーフを掛け合わせた落書きもしてみました。
とりあえず何らかの形になったものがないとイメージがしづらく、議論が難しいからです。
3. どんな「温泉卵」なのか?ラフで探る
モチーフが決まっても、どのように表現するかはまだ決まっていません。
"フォルムは?" "手足はどうなってる?" "眉毛はあるの?" "何を身につけてる?" 等 ディティールの決定が必要になります。
もちろん完全には網羅できていませんが、選択できる情報があると共通イメージを元に議論することが出来るので アイデア出し(連想)や決定がしやすくなることを実感しました。
クオリティが低くても、一見馬鹿馬鹿しいと思えるアイデアでも それがきっかけで(議論の中で)誰かの中にある何かが反応し、予想外のものが産まれる可能性があると思っています。
4. ネーミング
30個以上の候補の中から "温泉卵"がモチーフであることが最もわかりやすい「温泉たまこ」に決定!
相棒となるサブキャラ "湯桶"の「おけドン」も即決定しましたが、ここであるメンバーから"たまこは寂しくないのだろうか…?"という意見が出ました。
ゆこゆこのお客様は ご夫婦で旅行をされる方が多く、このスタンプも夫婦間の日常会話や旅の道中でも活用していただきたいという想いがありました。たまこにもパートナーが必要なのかもしれません…
自分には全くない視点でしたがこの心暖まる意見により"黒い温泉卵"の「温泉たまお」が加わりました!
苦手なパスでの描画も、シンプルな卵の形状にも助けられ(画像トレース・ベクターの素材等も活用)…キャラクター審査資料がなんとか完成していきました。
テキスト選定 〜 完成まで
次はスタンプのテキストと構成をチェックする「白黒ラフ審査」ですが、既にIllustrator(ベクターデータ)で作っていたこともあり この次の「清書審査」に提出するデータのつもりで、色付き・完成状態での制作を進めることにしました。
※ 前倒ししたことで後々余裕が出来たのでこれは正しい判断でした!
調査をして分かったこと 、話し合って決めていた条件は以下です。
シニア世代に人気のスタンプは敬語表現が多い = 失礼にならない丁寧めな表現(誰にでも使いやすい)
今回のスタンプは8種しか配布できないため、ポジティブな印象を与える表現だけに絞りたい
シニア世代は可読性が高いものが好みなのでメインの要素となる(テキストと絵は2:1程度のイメージ)
さらに 一般的によく使われるスタンプを加味して、8種のうち 6種は日常生活でも使いやすいもの・残り2種は旅行や温泉を想起させるものを選定することにしました。
返事・挨拶/気遣い・感情表現など、70以上の候補からテキストを10個程度に絞り制作してみました。
実際に作ってみると、表現の仕方や使い道として似ているものがあったこともわかり そういったものを統一することで以下の8種に決まりました。
最終的には テキストはどれも日常的につかいやすいものにして、温泉感のあるモチーフを取り入れることで旅情を演出する方針で落ち着きました。
見せ方のバリエーションとして同じような構図ばかりにならないようにというチェックがあったり、お辞儀の向きなどにも指摘が入ります。
※ トーク画面では相手から見ると左に表示されるので 右向きか正面が推奨されます。
また、表現としてユーザーに意図が伝わりにくい表現や 背景と同化してしまわないように枠線をつける調整など細かい部分にチェックが入りました。
並び順にも最後までこだわり、タブ画像・メイン画像を調整。最後は「入稿データ」として スタンプの紹介テキストなどが審査を通れば…納品完了です!!✨
まとめ
今回は、あくまで制作視点中心での報告とさせていただきましたが、ここに至るまでのターゲットデータ分析・先方との細かなやりとり・情報誌での告知情報の作成などは他のメンバーが担当してくれております。
細かいところまでこだわり チームで協議をして進めたからこそ、制作者にあまりスキルがない状態からでも 最終的に納得感のあるものに仕上げることができました!
今回、あくまで"スタンプ用のキャラクター"ということもあり、一番大切なキャラクター作りの部分を急ピッチで進めましたが 本来はここにもっと時間をかけて長く愛されるキャラクターなのかどうかを検証するべきなのだと思います。
ただ少なくとも制作に携わった関係者にとっては、既に愛着のある顔となりました… ♨️
今後 、お客さまにも親しんでいただき、愛されるキャラクター/スタンプになってくれることを切に願います・・!
最後までお読みいただきありがとうございました🙇