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出雲大社(5)花嫁の父

 オオクニヌシにはたくさんの妃がいる。因幡の国まで迎えにいった八神姫、スサノオノミコトの娘スセリビメ、ヌナガヒメ、タキリビメ、カムヤタテヒメ等々。
舌をかみそうで、ちょっと困る。
 神話の世界のお話だけど、その上縁結びの神様だから・・と思うけれど。
文献によればまだまだ記載される妃はいる。
ただ正妻はスセリビメ。彼女のお父さんはスサノオノミコト。何となく時代が離れていそうだが、神話だから許容する。
 スセリビメと結婚させて下さいとスサノオノミコトに申し出ると蜂が巣を作った部屋や大蛇がいる室に閉じ込められる。スセリビメの機転で逃れる。海で泳げば、大波にも呑まれず泳ぎ切る。狩りに出かけスサノオノミコトと放った矢の距離を競うと二人の矢は遠い草原に飛んでしまったので、その矢を探してくるように命じられる。矢を探し回る草原に火をかけられる。逃げるうちに大きな穴に落ちてしまうと野ネズミが待ち構えている。しかしこの野ネズミからも逃げ命じられた矢をもってかえる。
 イライラしたスサノオノミコトは髪についた虱ととるように命じるが、虱ではなく大きなムカデでいっぱいだった。髪を三つにわけて天井の樽に結びつけ、オオクニヌシとスセリビメは脱走する。
 蜂、次は蛇、火、野ネズミ、ムカデと襲いかかる障害を見事にはねのけ、結婚するというお話だが、グロテスクな虫や動物が登場する。神話の時代から花嫁の父は婿さんを受け入れがたい。
 
 苦労して結婚できたのに、因幡まで出かけて八上姫を口説く。一旦は八上姫も出雲へと向かう。途中に疲れを癒したのが日本三大美人の湯である湯の川温泉。
「火の山の ふもとの湯こそ 恋しけれ 身をこがしても 妻とならめや」
と情熱的な歌を詠んだ。しかしこのスセリビメの嫉妬で因幡に帰ってしまう。山陰線で151キロ。長旅だった。
湯の川温泉には八上姫の像が立っている。

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