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とんどさん

 昨年末から皆さんと同じように街のイルミネーションにうっとりし、クリスマスプレゼントを喜び、クリスマス料理を頂き、年賀状書き、大掃除、お節料理作り、除夜の鐘を聞き、駅伝TV観戦、初詣と順々にこなした。クリスチャン、仏教徒、神道信者、など忙しいのは毎年のことだけれど、とんどさんは山陰に来てからの体験。
 関東地方在住の時は、年末に神棚の掃除をし、お札やしめ縄を神社に納めた。神社では下げたこれらの品々を一斉に焼いて下さった。30日までに済ませなさいと親に言われた。そのわけは、31日にすると一夜飾りになるからだと。当時、一夜ヅケで種々試験をこなしていた私は、心の中で首をすくめた。それから一夜飾りは「いけないもの」という基準が出来た。冬の乾燥が鏡餅の上のみかんや下のウラジロなど毎年カサカサするし、みかんを狙っていたのですこししょげた思い出がある。ウラジロや和紙などどうしたのだろう。
 山陰のとんどさんは、5日くらいに行う。昨年のしめ縄や今年の正月飾りなどを集め、畑の中央に4本竹を立て、しめ縄でつなぎ、その中で昨年中に飾った物と年初の飾りを同時に焼く。畑のない新興地区は集会所に集めて業者に処理して頂く。「関東では鏡開きまで飾っておきます」と言ったら、とんどさんまで台所で火を起こさない風習があるから、早いのだそうだ。
 我が家はIHだから、などと理屈をこねてはいけない。台所にお祀りする荒神様はお正月に火事が出ないように各家を守ることがきっとお休みなのかもしれない?
でも不思議なことにお雑煮は元旦の朝、火を使って作る。
ことほど左様に不思議なことが多い日本だけど、貧乏神や風神・雷神、疫病神にはご来訪頂くことなく、福の神の居心地をよくする家にして、楽しい一年を過ごしましょう。
ゆうこの山陰便り    №131

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