出雲大社(2)遷宮
島根県を知っていますか?と他県の人に聞いてみると“出雲大社のある所”“石見銀山”そしてもう少し消息通だと“砂時計の・・・”(映画)と最近はなる。だいぶ注目されることが増えたと少しいい気分。
その最初の返事である出雲大社は縁結びで有名で大国主命を祀る神社。今年は60年に一度の遷宮、と偉そうに書くが4月20日夜から神事が行われ地元新聞やテレビでこのニュースが流れて私も知ったぐらい。早速、情報を集めた。というのは23日から友人が山陰にやってくる、その時に話題になりそう~と一人決めして。
出雲大社の遷宮(せんぐう)は、60年に一度。(ただし正確に60年ごとではなく、よき年よき日を選んでということらしい。伊勢神宮の20年に一度に比べると間隔が長い。奈良の法隆寺は最古の木造建築だと知っているが建替えはなさそう。神社の建築は土台の上に柱を建てるのではなく、木の柱を地中深く埋めて造るから、何年かに一度は造り直すことが必要だと最近知った。神社仏閣と乱暴に一緒にしてしまっては建築の世界の人から叱られそうだ。
出雲大社は、今年は遷宮の年に当たり、4月20日夜に仮のお宮に神様をお遷(うつ)しする前に清祓式(きよはらえ)を行い本殿の前の仮殿に引っ越しをされた。
東京からの友人に「今回はどこに行きたい?出雲大社は遷宮でこれは60年に一度ですって」と言ったら遷宮って何?60年に一度建て直さないといけないの?という質問はなく「行こう、行こう」となって下手な説明をしなくてすんだ。
出かけた日は好天。お参りはいつもする社殿前ではなく御仮殿で拝礼。さっそく本殿見学の列に並び、列整備の人に見学までどのくらい待つのか聞いたら40分ほどとわかった。
この本殿は64万枚の檜皮(ひわだ)に覆われた国宝。天皇皇后も入られたことがない、と説明があって、にわかに「特別」になったような気がした。正面回廊で神職による短い説明があった。内容は本殿が60畳の広さで4つの部屋に分かれていること、中央の柱が直径1.1メートルの円柱の心御柱(しんのみはしら)=大黒柱だという構造についてと天井に描かれた「八雲之図」のこと。18世紀半ばに描かれたが、その色彩は鮮明で輪郭はくっきりとしていた。いつも本殿の中には入れないし、本日はとても幸運なチャンスだから写真を撮りたかったが、禁止。長い間光を遮断して保存に力を入れていれば、見事な色彩は制作当時と同じように残せただろう、残念だったが納得。
地方紙は連休の人出を報道するが、出雲大社への参拝、見学も予想通りで、本殿に入るには2時間待ち行列になったとか。関連ニュースでは千家宮司が遷宮をするのは神様の力を大きくするねらいもあるとの発言をされたとか。人もまた新居に入れば気分も新たに頑張れるのだから、神様ならパワーアップは間違いなしか・・
見学した日の夕食のときの話。
姑に「今日は出雲大社の本殿まで上がったの、天皇皇后も本殿には上がれないのですって」と報告したら、「ああ、神様がお留守だからね」とばっさり。
ちなみに拝観料はなしだった。(笑)
ゆうこの山陰便り NO.49 加筆修正
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