残暑の重さと、待ち遠しい秋の訪れ
昨日、大阪の万博記念公園を訪れた。季節の移り変わりが感じられるはずの9月中旬。少し前までの涼しさが、一時の仮のものだったかのように、再び暑さが舞い戻ってきた。
この時期の暑さは、真夏のそれとはまた違う質感を持っている。真夏の日差しは圧倒的な力強さを感じさせるが、残暑はまるで夏が「まだ終わりじゃない」と小さく囁くかのような、しつこい暑さだ。体は涼しい季節を迎える準備を始めている中、この意外な暑さに一瞬戸惑う。
万博記念公園の広大な敷地を歩きながら、遠くで子供たちの声や、風に揺れる木々の音が耳に飛び込んでくる。しかし、空は高く、日差しは強い。夏の終わりを告げるセミたちの声は、もう聞こえなくなった。代わりに、残暑に耐えながらも、新しい季節の訪れを予感させるような、微かな秋の気配を感じることができる。
秋は、日本の四季の中でも、特に多くの人々が心待ちにする季節だ。暑さから解放され、心地よい風が吹き、紅葉が美しく色づき、収穫の季節が訪れる。それに、秋の夜長を楽しむ文化、例えば読書や音楽鑑賞、料理やスポーツなど、多くの楽しみが待っている。
しかし、その待ち遠しい秋が来る前に、我々はまず残暑を乗り越えなければならない。この時期の暑さは、我々に「季節の移り変わりは、一瞬ではなく、少しずつ進むもの」ということを思い出させてくれる。夏と秋、二つの季節が交錯するこの時期は、自然の中の変化を肌で感じられる、貴重な時期だとも言える。
大阪の万博記念公園を後にするとき、私は再び暑さに身を委ねながらも、その中に微かに感じる秋の気配に心を奪われた。夏の終わりと秋の始まり、その境界線上でのひとときは、一年の中でも特別な瞬間であることを実感するのだった。
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