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第4章 出発 ⑪「見えないチームワーク」

 ところで、被爆体験講話は決して一人ではできない。原稿を書くこと、派遣先に行くこと、そして人前で話すことは自分一人で行う。しかし、その過程には多くの方々の支えと手助けがある。

 まず第一に被爆者の存在だ。被爆という大変おつらい経験を私達に語り継いでくださる。
事業の担当者は講話原稿の添削とアドバイスを、必要に応じて被爆当時の写真や資料等を提供してくださる。
 講話デビューが決まったら、直前にプロのアナウンサーによる話し方のご指導がある。講話を本格的にするようになると、聴衆から感想や意見をいただく。

 そして何より、私が最も感謝している方は勲さんのご家族だ。日頃より私の活動を応援し、見守ってくださっている。ご家族のご理解はとても大きな力となっている。

***

 このように、活動自体は一見単独だが、大勢の方々が一緒になって講話を作り上げている。私はこれを「見えないチームワーク」と呼んでいる。
 どんな組織や活動でもチームワークが重視される。しかしそれは何も決まった役職や立場、特定の人間で構成されるものに限らないし、企業のように机を並べて働くといった狭義の意味にとどまらないのではないかと思った。
だからこそ面白く、自分の世界や人とのつながりがどんどん広がっていくのだ。

 「見えないチームワーク」あってこその私(証言者)であるから、この場をお借りして、関係者の皆様には心から感謝申し上げたい。


第4章 出発 終わり

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