ユーコン川を2人で下る③最初の町カーマックス
アッパーユーコンに入ってから天候も落ち着いてきた。川は右左に蛇行しながら流れてゆく。
テスリン川と合流すると、一気に川が濁った。チルという氷河の雪解け水が入っていて灰色がった茶色だ。これは嫌な予感がした。
釣りにならへんなあ・・。
後々予感は的中したことがわかった。
6月7日 地図にGOODCAMPと書いてあった場所を岸に発見する。注意深くエディー(川岸がえぐれていて逆流しているところ。フネをつけるのに最適)を見つけてフネをつける。
UPPER YUKONは、この時期は水量が多く、両岸が小さな崖になりがちでエディーが少ない。砂州はほとんどない。
エディーをうっかり見逃すと、カヌーにはエンジンがないので戻ることはできない。次のエディーを探さなくてはならない。もちろんキャンプ地からは遠ざかる。大抵の場合、着岸地点付近のエディーを見誤ると次のキャンプ地まで行くことになる。
このCAMP地は快適だった。快適なところほど画像が多い。
ラバージュ湖で、焚火のスターターを教えてくれたドイツ人たちとまた合流した。警察官の夫婦と軍人だそうだ。英語の話せるフレンドリーな警察官夫と妻と、すごく無口な軍人の4人。軍人のひとりは身長が2mぐらいの大きい人だった。
彼らは、ゼップというダックスフントも連れてきていた。そのゼップが時々こっちにも遊びに来た。ゼップは近くの沢で遊んだのか、ひやっとした冷たい肉球で膝の上に乗ってきたりした。
ゼップがでかい軍人と一緒にいるのを見ているとミニチュアダックスのようだったが、本当はミニチュアではないダックスで、日本人の我々のそばに来るとなかなかの大きさ、量感だった。
ゼップは、はしゃぎすぎだったのか頻繁に来すぎたのか、最後はとうとう軍人の肩に担ぎ上げられて連れていかれてしまったのだった。
6月8日 このキャンプ地を出ると、最初の町Carmacksカーマックスが近い。夕方には着く予定。天気は穏やかになってきて気温も少し上昇。気持ちに余裕が出てきて、チルで濁った水面に竿を出してみるがアタリなし。
午後6時 カーマックスに到着した。着岸付近が水路になっていて、流れがなかなか速く、水路に入ってからエディーに入れるときは少し緊張した。
川岸からあがったところがまさにキャンプ場。川下に流されて、キャンプ場まで荷物持って歩くことにならなくてよかった。
着岸していたモーターボートのフィッシングガイドにもらったレイクトラウト。やった!今から宴会です!
ビールは、おなじみカナディアン。
キャンプ場にはシャワーもあって、1週間ぶりにシャワーをすることができた。
そして、キャンプ場のがっちりとしたお姉さんに町まで車で乗せてもらい買い物へ行けることに。ありがたい!
小さな町、カーマックスで唯一お酒を購入できるBARにビールを買いに行く。昼でも暗いBARの中にMillerのネオンが光っている。こわごわ入ってビールを買った。何も起きなかった。
後は小さなグロッサリーが一軒あって、そこで食糧の買い出しをした。
カーマックスのキャンプ場、あまりに居心地が良いので翌日もずっとここにいたのだった。
空はずっと明るいまま。
続く