山ペンギン 35 こんびにでrain drops
宇宙人がまた来た。
宇宙人さんと呼ぶことも申し訳ないので名前をたずねたところ、
「brrriguicherturik」さんと「kyuriirrrkfgggturka」さんらしく、我々には発音できない。
主任が
「じゃあ、ワシさんと、タカさんでいいですか?」
絶対良くないと思うが、「もうそれでいいです。」と彼ら。
見た目はどちらかというともう少しシュッとしていて、ワシというより、ミサゴとか小型の猛禽っていうか・・・ていうか、光学迷彩使ってないのか?二人ともトリに見える。
「今日は皆さんにしか会わないと思ったので」
コンビニに来てるのに、どうしてそう思ったんだ・・・。
いや、仮に・・・と言ってふりむき、そこにいた女子高生に
「私達は宇宙人なんです」
トリの姿のまま語りかける。
女子高生は
「またまたー。ハロウインもう終わりましたよ。
でもクオリティ高いコスプレですよね。
なんのコスプレなんですかあ?他所の国のアニメかなあ。」
「・・・なるほどですね。」
で、本日は何をお求めでしょうか。
「今日はフィッシュフライを4つ。」
「ところで雨降ってますよね?」
なんでそんなにワクワクしてるんだ。
「空中の水滴という極めて高い位置エネルギーを持つものを別エネルギーに変換せず、そのまま地上に落とすというすごいぜいたくしてるの、この星くらいなんですよ!!」
「水を地面に落としてそのまま川に流すのもすごいよな。」
「全身に浴びるの久しぶりですよね!!」
「ああ、シャワーなんてチャチなものくそくらえだな。」
「御二人ってなんか、子供みたいですよね。」
主任、あなたの率直すぎる話しかけのほうがずっと子供みたいです。
「いや、もう、だって、我々、まだ子供みたいな年ですから。」
「え・・・おいくつなんですか?」
「俺は35公転周期齢だな。」「ボクは23公転周期齢です。」
「確かに見た目(判断はつかないが)よりお若いですね。・・・。ていうか、「タカ(ボク一人称の方)」さんはオレとほとんど変わらないと・・・。」
「ちなみに公転周期は7236地球換算日です。」
失礼しました。長老。
「やはりトリだから水浴びがお好きなのですね?」
接客業なのでもう、黙っててください主任・・・。
「いや、あなた方の方が好きなのでは。毎日水を利用したお風呂入りますよね?」
「我々あまり濡れると風邪ひきますしね。」
・・・我々も同じです。
全然子供と思えない年齢?の2人は、どこで覚えたのか、
「rain drops falling on my …」
と歌いながら店の駐車場で羽ばたいていた。
年齢?的には知ってても問題ないな・・・。
ていうか、そんなにしょっちゅう地球来てるのか?
もし飛んでしまったら、さすがに大騒ぎになるだろうけど、女子高生が
「イマド君のお友達って子供みたいよねー。」と
勝手にイマドカテゴリーに入れている。
イマド見て違和感感じないんだから、彼らを見ても平気なのかも・・・と思ったが、イマドは「認識迷彩」と使っているとか?
「ボクはボクでそのままだから。」
ありのーままでー。
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