ウラガエル人間「リバーシブルマン」
人間が裏返る。「リバーシブルマン」グロレベルはマックスだけど爽快感は満点。
1巻と2巻以降の主人公が違っている。
巷で「ウラガエリ」という不気味な都市伝説が流れ始める。
ウラガエッた人間は元の姿と全く変わらないが、唯一、「爪が反り返っている」という違いがある。
この「ウラガエリ」は自分の欲望のままに行動する。
1巻は自ら都市伝説と化し「全身オ〇〇コ女子高生」と偽の情報を流し、姉の復讐を行う女子高生、ルナが主人公。彼女は「ウラガエリ」という現象を自ら拒み、全身に武器を仕込んで闘う。
kindle unlimited では無料で1巻は読める。
2巻以降はルナをバックアップしていた「ロク」というやくざ者の活躍。
彼は組を裏切った人間によって、愛する妻をお腹の子供とともに「ダルマ女」にされたことで失った。
ロクもまた「ウラガエリ」だが、欲望のままに残忍な犯罪を起こすウラガエリを「退治」していく。
2巻はヒロインが2人、一人は通り魔に殺された彼の子供を宿した女子高生。
もう一人は正義を声高に語っているが・・実は・・という彼女の母親。
母親は凄惨な過去のためにゆがんだ正義を持ち、性犯罪者に復讐をしていく。そのやり方も、あえて犯罪者が早く釈放される方向にもっていきながら、犯罪者を。
そして、彼女自身を蹂躙した男たちの妻が妊娠したときにはその胎児を・・。
「存在してはならない遺伝子」
2巻は狂った母親と子供を産むために母親を殺す決意をした女子高生の姿で終わる。
「ウラガエリ」の過程も表現されるので、見開きいっぱいの内臓と血とか、非常に閲覧注意なのだが、絵が美麗でそういうシーンすら美しい。
出てくる人間はもう、「狂う」とか言うレベルを超えて、むしろ、「これが新しい人間の形なのでは」と神々しさまで感じられる。
グロテスクな名作として知られるのは「寄生獣」だと思うが、このリバーシブルマンもかなり名作ではないだろうか。
どちらもただ、ただグロいが。
ネタバレのために読み返すのも辛い漫画ではあるけど、引き込まれる部分と最後に残る不思議な「爽快感」は一度触れてみてもいいかもしれない。