見出し画像

やる勇気とやらない勇気 【ブラボー!ブラボー!】

私のカンフー教室の先生、とっても尊敬する、
チュソンさんという方が教えてくれたお話です。

日本にはない外国のお話です。

【ブラボー!ブラボー!】

ねずみとかたつむり、カエルとスズメが池のほとりに集まりました。

ねずみは、なんか面白いことないかなぁとやってきました。
カタツムリはねずみがいたのでやってきました。
カエルはたまたま飛び入りました。
スズメは「みんな集まって何してるんだろう」とやってきました。

しばらくすると、ネズミが言いました。
「せっかく集まったんだから、勇気比べでもしてみないかい?」
「いいね!」みんな賛成しました。

「では僕から行くよ!」とネズミが言いました。
「僕は潜って池の端まで行って帰ってきてみせるよ」
それを聞いたカエルは言いました。
「それは勇気があるとは言えないね。僕はそれ毎日やってるよ」
ネズミは「カエルくんにとっては勇気じゃないかもしれない。でも僕にとってはとっても勇気がいることなんだ」
みんな納得しました。
そして、勇気を出して池に潜ったネズミを、みんなは「ブラボーブラボー!」と称えました。
!」。

「次は僕の番だ!」カエルが言いました。
「僕は今日、ハエや蚊を食べないで、ハスの葉っぱを丸ごと一枚食べてみせるよ!」
それを聞いたカタツムリは、
「それは勇気があるとは言えないね。私は毎日大きな葉っぱを食べてるわよ」
「カタツムリさんにとっては勇気じゃないかもしれないけど、僕にとっては勇気なんだ!」
みんな納得しました。
そして大きな葉っぱを食べ切ったカエルを
「ブラボーブラボー!」とみんな称えました。

お次はカタツムリ。
「私はこの殻から抜け出してその周りを一周して殻に戻ってみせるわ!」
「それは勇気じゃないなぁ」スズメが言いました。
「私は赤ちゃんの時とっくに殻から抜け出して、その以来戻ってもいないわよ」
「スズメさんにとっては簡単かもしれない。でも私たちカタツムリにとってはとっても勇気がいることなのよ」
みんな納得しました。
そしてそれを成し遂げたカタツムリにみんな「ブラボーブラボー」と叫びました。

最後に残ったのはスズメ。
「私は、、、私は、、、私は、、、」
「勇気比べ、やらない」
「・・・」
みんな驚きました。ネズミもカエルもカタツムリも黙ってしばらくお互いを見合いました。そして、ついには「ブラボーブラボー!」と叫びました。

「ブラボーブラボー!やらない勇気にブラボー!」

おしまい


いいなと思ったら応援しよう!