7年続いている日本語レッスンの準備から終了後まで
ここにはオンラインで日本語を教えている人達が多いので、たぶん「日本語教えるなんてやったことないけど、ちょっと興味ある」と思っている人も多いのではないでしょうか。
ワタクシ、回数や期間が最初から決まっている企業案件もあるのですが、
期限なし、回数制限なしというレッスンも1社から請け負っています。かれこれ7年。
退職してレッスンが終わることはあっても、幸いなことに「先生変えてほしい」と言われたことは一度もなく、開始当初から7年続いている人も数人います。
ありがたや。
これはある日、ある学習者さんのレッスン準備から終了までの流れです。
オンラインのプライベートレッスンです。
レッスン準備
学習者さんは中上級レベル。日常的な漢字ならほとんど正確に読めます。
語彙や表現を増やして、日本での生活をより豊かにするのが目的です。
ご本人の希望で、ネット上の記事を読むというレッスンをしています。
準備は興味がありそうなものを選ぶことから。
事前に学習者さんから読みたいものを指定されることも多いです。
この日は、SNSなどで話題になったドラマ『地面師たち』に関する記事です。前の週に学習者さんが「おすすめです」と言っていたので。
その記事は、レッスンで扱うには若干長いので、500字程度にリライトして、Wordファイルにします。
その文章をリーディングチュウ太にかけて、N1以上と判定された漢字に語彙単位でルビをつけます。
複合動詞がいくつかあったので、念のため意味を調べておきます。(自分の認識が正しいとは限らないので。)
ここまでで30分弱です。
レッスン
「ドラマ、最後まで観たよ」と私から報告をしてから、文章を読んでもらいます。
Wordファイルを画面共有して、一文ずつ音読してもらいます。
わからない漢字や言葉はその都度説明。
最初の段落が読み終わったところで止めて、ワタクシが再度一文ずつ読む。
このときに「ここの『それ』って、何?」とか、「監督がドラマにしようと思ったきっかけは何?」など、質問繰り返して内容確認。書かれていることを正確に読み取る練習です。
これができないと、自分の思い込みから書かれていないことを想像で補ったりしますので。
(SNS上でよく見かけますよね、そういう人。)
読み終わったら、自分の考えを言ってもらったりします。
語彙の使い方について質問があったりするので、そういう発言はWord上にどんどん書いていきます。
ここまでで1レッスン。
Wordを使っているのは、学習者さんの発言や質問、作った文などをすぐに文字化したいから。読めない漢字に手早くルビも付けられるので、レッスンではPPTよりも使い勝手がいいからです。
レッスン終了後
使ったWordファイルをPDF化して、共有します。
そして、次のレッスンで、文章に出てきた語彙や表現をちょっとだけ復習します。
復習にたくさんの時間はかけられないので、短文をいくつかルビなしで読むくらいです。
ここまで書いて、昔、自費でレッスンを受けていた方が6年続いたことを思い出しました。
対面レッスンで、同じようなやり方でしたが、違うのはその方がレッスン当日に読みたいものを持ってくること。
その場で対応です。
超級レベルなので、評論や政治経済に関する記事が多かったです。
楽しいレッスンでした。
カリキュラムがないレッスン
最初から回数が決まっていたり、目標が「JLPT合格」のように明確だったりすると、全体のコースデザインが必要です。
でも、このようにずっと続くレッスンは、1回1回、その都度何をするかを決めていくので、事前にカリキュラムを作成しません。
相手の趣味嗜好や今の仕事に合わせ、もう一歩上に行くためのレッスンをします。
レベルチェックの目安
こんなのが使えます。就労 CAN-DOリストです。
みなさんのご参考になりますように。