医療用サージカルマスクをいま一般企業が売るリスクを考えてみよう
さらなる自粛要請により全国規模での新型コロナウイルス対策を徹底することによる封じ込めが急務になっている日本国内。一人一人の行動が医療崩壊を起こさず、感染者・死亡人数が0となる日への近道。
…それがわかっているのに、不用意に密な場所へ出歩いてしまう、買い占めに走ってしまったことによる感染はなくなっていません。たった2週間、我慢できていれば、今日の数字はぐんと下がっていたはずなのに。
これは企業活動にも言えることで、「この情報を出すことで人がたくさん集まってしまわないか」「医療機関の救護の邪魔にならないか」など、平時とは違う思考のスイッチを入れることが求められています。
マスク、ではなく、サージカルマスクが必要?
いま医療現場で問題となっているのは、まず物資の不足です。治療以前に、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを検査するスタッフをはじめ、現場の看護師・医者などの医療関係者に都度医療用ガウン・手袋・医療用マスクが必要です。それを補うため、様々な企業が本来生産していないこれらの商品を作り始めています。
そんななか、連日ショックな情報ばかり触れています。
1つめは、この週末に入った某食料品専門店。レジの横に「サージカルマスク」3000円と積まれていました。
そして、本日届いたのが、某靴メーカーのメールマガジン。以前にもサージカルマスクを手配したとありましたが、再入荷したそうですよ。
医療関係者といっても内科医・歯科医・皮膚科医など、市中で通常どおり開院している人たちが必要かもしれないので、買えたらうれしいでしょう。でも、某飲料店、ましてや靴の通販サイト経由で医療用レベルの高機能マスクを売る必要はあるのでしょうか? 本来必要な場所へサージカルマスクが届くのをこういう形で流通してしまうから、不足しているのでは?
もし私がこの会社の広報だったら、ネガティブキャンペーンになるので、必要な医療機関に寄付しましょうというでしょう。それが、一刻も早く平時に回復し、店舗の通常の売り上げを取り戻すことにつながるわけです。
ここでは企業名は書きませんが、少なくとも私はこの2つの企業を取材先の選択肢にはわざわざは加えないでしょう。
危機的状況下でどのような行動を取れるかが、その人の本質が見えるとはよくいいますが、それは企業だって同じです。
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広報・PRが気になるあれこれ、答えます!
以前に月刊誌「広報会議」にて「PRされる側からみた広報・PR」の記事を執筆したところ、「こういうことを知りたかった」「ただ前例に従ってやら…
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