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【Vol.6】ペイ・フォワード⑤:日本はあなたを必要としている

グローバル女子(グロ女)の皆さん、世界から日本を見ることで、なんとなく客観的に日本を見られるようになってきましたか?

そしたら次は、あなたの発見を日本に還元する時です。

海外への渡航理由が何であれ、世界に出て新しい世界を見て学ぶのは、非常に重要です。でも、外の世界を学んだら、そこで学びっぱなしにせず、ぜひあなたが世界で得た経験や知識を日本に還元してほしいのです。

確かにこちらのドメスティック女子(ドメ女)の通り、「日本に還元なんて言われても、私みたいな凡人に何ができるの?」と戸惑ってしまうかも。

でも、今、日本はあなたを必要としています。



イケイケドンドンだった日本

かつてバブル絶頂期と言われた80年代、世界的にも日本はイケイケドンドンでした。

2022年1月に発表された、「2022世界時価総合ランキング・トップ50」の比較表を見てみましょう。左側が1989年、右側が2022年のランキングです。

オレンジ色にハイライトされた企業が、日本の会社です。
左右それぞれ、数を数えてみて下さい。

もう一目瞭然ですね。

2022世界時価総合ランキング


1989年のランキングを見てみると、なんとトップ50社のうち、32社が日本企業!次いでアメリカが14社、イギリス3社、ドイツ1社となっています。
しかもしかも、日本企業がトップ5を独占しています。

では、時を経て、2022年のランキングを見てみましょう。

日本企業は何と、トヨタ自動車1社のみ。しかも31位。あっという間にアメリカが日本を追い抜いて、50社中34社を占める勢いとなっています。

私も日本人の1人として、このランキングを見るのはとても胸が痛みます。

私はアメリカに出て早や26年となりますが、やはり心の拠り所は日本にあるのだなと痛感しますし、日本よ、このままではいけない!と思うのです。

海外への渡航理由が何であれ、世界に出て新しい世界を見て学ぶのは、非常に重要です。でも、外の世界を学んだら、そこで学びっぱなしにせず、ぜひあなたが世界で得た経験や知識を日本に還元してほしいのです。

優秀な人材が海外へ流出している

残念なことに、今日本では、優秀な人材がどんどん海外に流出しています。

「もっと新しい世界を見てみたいから」
「海外で新たな自分にチャレンジしてみたいから」

と言った、自己実現のための前向きな理由という場合もあれば、

「今の環境に満足していないから」
「今後日本の社会がよくなるように思えないから」

と言った、現状に不満がある後ろ向きな理由の場合もあるようです。

後者の理由で海外へ出ていく女性達は、なぜなのでしょう。

日本国内の有識者からさまざまな意見が上がっていますが、海外在住日本人女性の1人である私から見ると、主に以下の理由が考えられるのではないかと思っています。

【なぜ日本人女性が海外に流出するのか】
理由①         日本人女性が活躍しにくい
理由②         日本の賃金が低い
理由③         多様化を受け入れるハードルが高い
理由④         英語やその他の言語を学ぶ環境が整っていない
理由⑤         ワークライフバランスをとりづらい
理由⑥         社会に出てからのワクワク感がない
理由⑦         子育て世代やママさん世代の声が政治に反映されていない

それでは一つ一つ、課題をひも解いてみましょう。

● 理由①:日本では女性が活躍しにくい

Vol.1でも触れましたが、日本の2024年のジェンダーギャップ指数は、146ヵ国中118位。過去最低だった2023年よりも順位を7位分上げたものの、引き続き先進国G7の中では最低レベルです。アジア諸国の中では韓国や中国、ASEAN諸国よりも低い結果となっており、順位は2006年の公表開始以来最低でした

また、管理職に占める女性の割合が世界的に見ても低い、家事・育児の負担が女性側の方に重くのしかかっているなどといった社会的課題も未だ色濃く残っているのが現状です。

せっかく社会で頑張りたいと思っている優秀な女性達が日本には山のようにいるのに、「この国では私達の出番がなさそうだから、海外に出ちゃおう」と思わせてしまっては非常にもったいないですよね。

ジェンダーギャップ指数に関する詳細は、下記をご覧ください ↓↓


この「日本で女性が活躍しづらい問題」は日本政府も重々理解しており、さまざまな打開策を進めています。

まず一つ目が、厚生労働省が推進しているえるぼし認定。これは女性の活躍を推進している企業を認定する制度です。2020年6月1日には、最高ランクのプラチナえるぼしという認定制度も始まりました。こうして政府が少しずつ本腰を入れているのは嬉しいですね。

えるぼし以外にも、女性の活躍を推進するためのなでしこ銘柄という仕組みもあります。こちらは経済産業省が東京証券取引所と共同で、平成24年度より女性活躍推進に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として選定しているものです。

女性活躍の推進に優れた企業を紹介することを通じて、企業への投資を促進し、各社の取組を加速化していくことを狙いとしている活動です。

令和5年度は、以下の27社が「なでしこ銘柄」として選定されました。企業数が少しずつ増えていっているのも、嬉しいですね。

図表⑥-2:令和5年度:「なでしこ銘柄」選定企業一覧(27社)- 経済産業省



2020運動から2030運動へ

過去には、内閣府男女共同参画局が、男女共同参画社会の実現に向けて2020年までの指導的地位に占める女性の割合を30%にしようというゴールを掲げた2020運動というものもありました。

残念ながら、こちらは未達に終わったため、「結局男社会は変わらないんじゃないの」とか「ターゲットだけ設定してもダメだ」などの批判的な声が相次ぎましたが…。

でも、私個人としては、ないよりもあった方がいい、社会的な重要課題として話題に出るだけでも第一歩!と思います。

今では、政府は達成年限を2020年から2030年に延長し、新たなタイムラインと共に、課題解決に向かって引き続き取り組んでいます。

「数字ばかり一人歩きしている」
「女性ばかり登用するのはおかしい」
「そもそも女性自身が社会進出を望んでないんじゃないの」

という声もありますが、さまざまな声と社会的要因を含めて検討しながら、女性活躍の機会を広げていくのはいい傾向なのではないでしょうか。


理由②以降は、明日の記事にて。下記をご覧ください ↓↓


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